昨年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされてすっかり人気者になったラグビー日本代表の「笑わない男」は『NHK紅白歌合戦』など年末年始のテレビにも不眠不休(?)で呼ばれてお茶の間を沸かせたが、この正月はもう1人、真に「笑わない男」がスペシャルドラマに登場した。こっちの男は警察官の制服をピシッと着用。白髪にサングラスの奥が義眼という強烈なビジュアルでお茶の間をも震え上がらせ、ピリピリさせつつ、最後は深い感動へと導いてくれた。

 男の名は「風間公親」。木村拓哉ふんする神奈川県警察学校の鬼教官だ。フジテレビが4、5日に2夜連続で放送した計4時間半に及ぶ「教場」前・後編(君塚良一脚本、中江功演出)。

 ネタバレになるかもしれないが、ラストは生徒たちが晴れて卒業の日を迎え、県内各地で交番勤務を始めている。教場には新顔が緊張の面持ちで座っている。教壇の男が半年前と同様、100%の威圧感でおもむろに名乗る。「風間公親だ」

 そのインパクトと存在感。新顔の中に一瞬だけ三浦貴大、伊藤健太郎、上白石萌歌、佐久間由衣らが映って終わり。“えっ、つづく、ではないの?”と視聴者の多くが思っただろう。“てことは、おそらく来年の正月にパート2、いや連ドラになるかも”と。

 〈何を演じても…〉といわれ続けてきたキムタクだが、暮れのTBS系『グランメゾン東京』で“らしさ”を思いっきり振り切らせ、続けて今度は逆向きのベクトルに転じ、一気に新境地に躍り込んだ。冷徹でミステリアスなキャラクター。しかも剣道の達人。生徒役の工藤阿須加、川口春奈、三浦翔平、大島優子、味方良介や富田望生、井之脇海、葵わかな、林遣都らが“風間教場”から得たものは多かったはずだ。大島がインタビューで「撮影合間でも座らず休まず立ち続けていた風間教官。緊張しました」と語っていた。“木村先輩”の視線の先には健さん(高倉健)という大先輩の姿があるようだ。(新橋のネクタイ巻き)