国民民主党の岡本充功(みつのり)衆院議員(48、比例東海)が代表を務めた政党支部が、2015年の政治資金収支報告書で不可解な会計処理をしていた。高級ホテルの宿泊代として、同じ日付で、同じ部屋の「1万円」の領収書が10枚も存在し、収支報告書に明細の記載がないかたちで処理されていたのだ。医師で衆院当選5回という岡本氏。政治資金の専門家は「政治資金規正法に抵触する疑いもある」というが、一体どういう理由なのか。

 ■1人1泊4万

 夕刊フジは、岡本氏が当時代表だった政治団体「民主党愛知県第9区総支部」が支出した、1万円以下の「少額領収書」のコピーを入手した。

 このなかに、「オークラアクトシティホテル浜松」(浜松市)で15年12月9日、「御宿泊代」として「1万円」で切られた領収書が計10枚もあった。すべて「岡本充功様」とあり、続き番号で、部屋番号は「3407」だった。

 同ホテルは、JR浜松駅に直結する45階建ての超高層ホテルで、高級なホテルオークラのグループホテル。客室からは富士山や南アルプスの山並みや、遠州灘の風景を一望できるという。

 実は、岡本氏は同年9月29日、同じホテルで「宿泊費」として「12万1676円」を収支報告書に計上している。だが、「12月9日」については、少額領収書で会計処理していたのだ。

 総務省政治資金課によると、政治資金規正法では国会議員の政治団体に「1万円超」の支出はすべて、収支報告書への記載を義務付けている(第19条の10)。だが、「1万円以下」の場合、開示請求がない限りは、必ずしも詳細を記載する義務はない。これは、10万円の宿泊代を分割処理したのではないのか。何かを隠したかったのか。

 そこで、夕刊フジは、岡本氏に別表のような質問状を送った。

 岡本事務所は当初、「(議員が)税込み1万円で10回、宿泊したようだ。『1泊9800円でも泊まれる』と聞いた。知り合いが浜松などにおり、党員集めなどの際、宿泊したと思われる」「『12月9日』の日付は、領収書をまとめて計10枚出してもらった発行日だ」と説明した。

 だが、ホテル側の説明はかなり違う。

 まず、「3407号室」は「デラックスツインルーム」の仕様で、ホテルのHPには「50平方メートル」「贅沢(ぜいたく)なほどにゆとりある空間」「1泊1人4万2350円から」とある。

 ホテル関係者は「(一般論として)シングルなら1万円で素泊まりできる部屋はありますが、3407号室はどんなに格安でも1万円はあり得ません」と断言した。

 領収書の「12月9日」という日付についても、「一度に領収書を複数枚切るときも、記載するのは発行日ではありません。実際に泊まった日付を1枚1枚書くのが常識です」と語った。

 ■規正法抵触か

 政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信(ともあき)教授は「収支報告書は正確にきちんと書くのが大原則。ウソなら虚偽記載で違法となる。1万円の領収書10枚の明確な説明ができなければ、疑われても仕方がないだろう」と語った。

 岡本氏はかつて、自身のブログに政治資金について、「求められる透明性の確保を地道に達成して行きたい」(10年3月8日)と記していた。

 政府・与党の疑惑を厳しく追及する野党議員として、今回の疑問に、どう答えるのか。

 岡本氏を13日午後、国会内で直撃したが、「事務所が言った通りだ」と繰り返すだけで、本人は説明しなかった。

 改めて岡本事務所に聞くと、「年間に複数回、浜松のホテルに宿泊したのは認める。3407号室に泊まったのも事実だ。他の部屋にも泊っている。会計処理については監督不行き届きがあった。指摘を真摯(しんし)に受け止め、修正したい」と語っている。

 ■岡本充功議員への主な質問

 (1)2015年12月9日にオークラアクトシティホテル浜松の「3407号室」を利用した目的は? 民主党に関する「政治活動」か?

 (2)なぜ、1万円の領収書10枚で会計処理したのか? 脱法行為に当たらないのか?