巨人の新外国人、エンジェル・サンチェス投手(31)=前韓国SK=が28日のヤクルト戦(神宮)に先発。6回無失点の好投で来日2連勝を飾った。開幕前の実戦では打ち込まれた右腕を、首脳陣が見切らなかったのには理由がある。

 「チーム一丸で勝ててとてもよかった。現状に満足せず、もっと長いイニングを投げられるようにしたい」と向上心を口にしたサンチェス。原辰徳監督(61)からも「だいぶストライクゾーンを広く使えるようになってきた。メリハリも効いてきたし、カットボールも非常に良くなっている。前回よりもまた良かった」と称賛された。

 昨季巨人で11の貯金を稼いだ山口の穴を埋めるべく、今季年俸3億4000万円(推定)の2年契約という破格の待遇で迎えられた。昨季は韓国で17勝5敗、防御率2・62と圧巻の成績も、今年3月のオープン戦は防御率10・57、6月の練習試合でも2試合で計10失点と散々。実力を疑問視する声も強まっていた。

 それでも見放されなかったのは、内面が高く評価されていたからだ。3月のある日のこと。ジャイアンツ球場でブルペン投球を終えたサンチェスは、隣でマウンドを整備していた沢村に「センパイ!」と声を掛け、レーキを引き受けようとした。使ったマウンドは自分で整備するのがマナーだけに沢村は丁重に断ったが、居合わせた球団関係者は「2月には『先輩』の意味も使い方も覚えていた。溶け込もうとする意欲がすごい」と感心していた。

 球団幹部は「日本に適応しようと頑張っている最中。頭がよくて完璧主義なところはあるが、変なプライドの高さはない。よくなっていくはず」と信じ、首脳陣とともに待ち続けた。

 ファンを心配させたサンチェスだが、「頭を使ったいい選手が多いのでリスペクトしている」と敬意を表する日本野球に少しずつ順応しながら、真価を発揮し始めたか。(片岡将)