新型コロナウイルスの感染拡大を受けてJリーグの全公式戦が休止中、浮上してきたJ1鳥栖の破綻危機。だが、経営難をコロナ禍と結びつけるのは早計だ。

 「鳥栖がヤバイ」とささやかれ始めたのは、まだコロナへの危機感も薄かった2月初旬のこと。2季連続で億単位の大口スポンサーを失ったことがきっかけだ。

 竹原稔社長(59)による、近年の攻めの経営が裏目に出た。2018年7月、元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(36)と推定年俸8億円で1年半契約。大物助っ人の獲得で当初は盛り上がったが、好成績にもスポンサー獲得にも結び付かなかった。

 逆に、15年7月から鳥栖を支えてきた、年間6億円のメインスポンサー「Cygames(サイゲームス)」が18年シーズン限りで撤退。昨年4月の決算報告では、4期ぶりに5億8100万円の赤字を計上した。

 さらに昨年7月には、トーレスも契約半ばで現役引退。チームは昨季最終節でなんとかJ1残留を決めたものの、今年に入っても逆風は収まらず。08年からチームを支えてきた、年間3億5000万円のメインスポンサー「DHC」が撤退を決めたのだった。

 Jリーグは新型コロナ問題で必死の対策を展開中。村井満チェアマン(60)が立ち上げたプロジェクトのひとつに、クラブの財政状況をサポートする部門がある。村井チェアマンは「鳥栖とは協議中」としつつも、鳥栖の経営難はコロナ問題とは別という認識だ。

 ただ、公式戦再開が遅れれば遅れるほど、危機に拍車がかかるのも事実。いざとなれば、手を差し伸べざるを得ないJリーグにとって、新たな“頭痛のタネ”だ。(夕刊フジ編集委員・久保武司)