東京五輪延期の“ポジティブ効果”だ。Jリーグは今年のルヴァン杯決勝を、12月26日に東京・国立競技場で開催する方向で検討に入った。本来は10月24日に埼玉スタジアムで行う予定だった。

 村井満チェアマン(60)は25日、全56クラブの社長を集めた臨時実行委員会をウェブ会議方式で行い、「J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日に再開したいことを全会一致で決めた」と発表した。

 4月3日再開を目標に動いてきたがコロナ禍が終息せず、「国民のみなさまとスポーツの安全を守りたい」と断念。再延期の期間中はスタッフ総動員で、マスク、サーモメーター、消毒液などをJ1−J3の14節(6月中)分まで調達する。

 「サーモメーター運用にスキルが必要」(村井チェアマン)であることから、観客動員が少ないJ3から段階を経て再開する。平均2万人台を動員するJ1では「長距離移動を伴うアウェー席での観戦の自粛」を要請。また、指定席は間隔を空けて座るなど、スタジアム収容率の50%動員で再開したい意向だ。

 悪い話ばかりではない。村井チェアマンはルヴァン杯の開催方式に「大きな変更はない」としたが、埼玉スタジアムから決勝会場の変更を計画中だ。国立競技場は今夏の五輪閉幕後、改修工事で年末まで使用できなくなるはずだったが、この工事も先延ばしに。1992年にナビスコ杯としてスタートして以来、伝統だった「国立決勝」の復活が可能となった。

 決勝の会場は94年の神戸ユニバを除いて国立競技場だったが、東京五輪に向けて新国立の工事が始まった2014年からは、埼玉スタジアムで行われている。

 年末にルヴァン杯決勝が、その1週間後の21年元日には天皇杯決勝が、立て続けに東京五輪のメインスタジアムで開催されることになる。コロナショック粉砕に向けた、Jリーグの戦略に今後も注目が集まる。(編集委員・久保武司)