俳優・山崎賢人(崎=たつさき)さんが主演する映画『陰陽師0(ゼロ)』が、4月19日より全国で公開されます。その公開にあたり、3月には佐藤嗣麻子監督と原作者の夢枕獏先生が、同作のヒロイン・徽子女王とゆかりのある三重県立斎宮歴史博物館を訪問しました。そこで今回、同館で学芸員を務める日本史学者の榎村寛之先生に、徽子女王についてあらためて解説をいただきました。

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女御となったのちの徽子女王について

ここまでの記事にも記しましたが、『陰陽師0』公開にあたっては、全国のゆかりの地で試写会が行われました。

私が学芸員を務める斎宮歴史博物館のある、三重県多気郡明和町もその地の一つということで、「109シネマズ明和」で試写会が行われ、私も参加する機会に恵まれました。

試写会での舞台挨拶の前には、佐藤嗣麻子監督と夢枕獏先生が、斎王の宮殿の遺跡・国史跡斎宮跡と、私が学芸員を務める斎宮歴史博物館を訪問されました。

斎宮歴史博物館は、斎宮跡の発掘の成果を公開する施設で、映画で奈緒さん演じる斎王徽子女王と縁が深い地でもあります。

そこで引き続き徽子女王、特に女御となった後の生涯について、映画のネタバレにならない程度に解説したいと思います。

*今回の3回目で徽子女王について触れる内容は最終回となります。