外出を控えて家にこもる日が続いて、運動不足になっていませんか? 自宅でできる「貯筋運動」を専門家に教えてもらいました。無理なく筋力を維持して、健康寿命を延ばしましょう。(構成=塚原沙耶 イラスト=大高郁子)

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老化と運動不足で筋肉は日々減っていく

年齢を重ねるにしたがって、人の体は変化していきます。体形、皮下脂肪と筋肉の割合、筋力、歩いたり走ったりする際のパワー……。残念ながら、誰しも老化現象を避けることはできません。

「貯金」は生活するためのゆとりで、いざという時に必要なものですが、使えば減ってしまいます。

一方で筋肉は使えば増やせる。つまり「貯筋」ができるのです。病気や怪我で入院し、しばらく体を動かさずに過ごすと、筋肉はあっという間に減少してしまいます。普段から体を動かしている人は回復したら日常生活に戻れますが、「貯筋」がない人は退院したら歩けなくなってしまった、という事態にもなりかねません。

筋肉も「備えあれば憂いなし」。元気なうちからコツコツ貯めておきましょう。お金と違って借りられませんから、自分で貯めておくしかありません。

加齢によって一番落ちやすいのが腹筋です。70歳時の筋肉量は、20代の頃の7割ほどになるといわれています。続いて減少しやすいのが、大腿四頭筋という太ももの前側にある筋肉。大腿四頭筋は、50歳以降、1年に1%ほど量が減ります。もし転倒などが原因で寝たきりの状態になった場合、なんとわずか2日で、1年分と同じ1%ほど萎縮するのです。

老化に運動不足が加わると、みるみる機能が低下してしまいます。運動しようと思っても、ジムに通ったりスポーツを始めたりするには時間もお金もかかり、億劫になってしまいがちです。そこで私は、日常に取り入れやすい「貯筋運動」という簡単なトレーニングを考案しました。

「貯筋運動」はいつでもどこでも行うことができ、特別な道具を準備する必要もありません。もちろん家で取り組んでもいいですし、電車の中で座っている時にかかとを上げ下げするなど、「ながら運動」するのもよいでしょう。

筋肉を貯めるには、毎日「使う」ことが肝心です。私も毎朝、自宅のマンションの階段を18階まで上り下りしていますよ。今日から「貯筋運動」を実践して、丈夫な体を作りましょう。