新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が決まったことを受け、福井県勢の選手らは「進むしかない」と前を向いた。暗い雰囲気が漂う中、「スポーツの力で元気を与えられたら」と訴える選手も。一方、今後の代表選考やコンディション調整の難しさを案じる声も聞かれた。

 3大会連続の五輪出場が期待されるフェンシング女子エペの佐藤希望選手(武生商業高校出身)は「気持ちが少し楽になった。来夏に向けて踏ん張ります」と力を込めた。ハンガリーの大会から3月14日に帰国し、東京で2週間の自宅待機を続ける。地元であった長男の卒園式にも出席できず、不安な日々を過ごした。

 現在33歳。「現役最後」の五輪に懸ける思いは強いが、中止や2年延期論も取りだたされ「引退」が頭をよぎったという。「1年程度」に決まり、戦いを続ける決心をした。「越前市や福井の子どもたちに、夢を持つ大切さを伝えたい」と話した。

 日本協会は今月末をめどにナショナルチームの練習を再開する予定。男子エペを率いる見延和靖選手(武生商業高校出身)は会員制交流サイト(SNS)で「こんな時だからこそできることを考え行動する。一刻も早く終息することを願う」と記した。

 自転車トラック種目のケイリンで出場が確実な脇本雄太選手(科学技術高校出身)は正式内定を待つとした上で「開催時期がいつになろうと、目標を果たすために毎日トレーニングに集中していくだけ」とコメントした。

 バドミントン女子シングルスで2大会連続出場を確実にした山口茜選手(勝山高校出身)も海外遠征から戻り、所属先の再春館製薬所の寮で待機中。「多くの方がやりたいことをできない状況の今、(バドミントンという)好きなことがやれて、応援してくれる方々が大勢いること、当たり前でないしありがたい」とツイッターに投稿した。

 バレーボール男子日本代表の清水邦広選手(福井工大福井高校出身)は「1年、まだやれると信じてもう一度本気で頑張る」と決意を投稿。藤島高校出身の中垣内祐一監督は「今後提示される新日程に向けてチャレンジを続けていくだけ」とのコメントを出した。

 パラリンピック女子マラソン(視覚障害)の出場を目指す64歳の西島美保子選手(福井市)は「年齢や体力面を考えると今年やってほしかった。選考レースがどうなるのだろう。先が見通せない」と困惑した。