新型コロナウイルス感染拡大の中、物流を支える長距離トラックの運転手。県境をまたいで移動することから、いわれなき差別を受けるケースも福井県外ではみられる。県内ドライバーも差別や中傷を恐れながらも業務に当たり、業界団体では「物流が止まれば経済が止まる。荷物が届かないと困るのは誰か、考えてほしい」と訴えている。

 「トラック運転手がコロナウイルスを運んでいるのではないか、などと言われる。みんな気を付けているし、感染なんかしたくない」。福井市の長距離運転手の男性(38)は、語気を強める。県外では4月、トラックドライバーの家族が、学校から子どもの自宅待機を求められるなど深刻な差別を受けるケースもある。

 男性運転手は、北は青森、南は鹿児島と全国を走ってきた。「常に手袋とマスクを着けているが(感染者が多い)東京など関東方面に行くのは怖い」と話す。

 いつも食事に立ち寄る高速道のパーキングエリアは、トイレを使うだけにした。乗車前にコンビニ弁当などを買い込み車内で食べる。「帰宅したら玄関で裸になって、全身アルコール消毒してから風呂に入る。洗濯物も家族とは別」。それでも、幼い娘が風邪をひいた時は「自分がコロナに感染し、うつしたのではないかと怖かった」と振り返る。

 県トラック協会は「緊急事態宣言下においても物流・輸送サービスは事業の継続を要請されている」とし、感染防止マニュアルを加盟企業に示し、対策の徹底を呼び掛けている。

 一方、県外で発生した差別事例にも神経をとがらせる。担当者は「物流が止まればガソリンも食品も手に入らなくなる。医療関係者同様に、トラック運転手も頑張っていることを知ってほしい」と訴える。