新型コロナウイルスの福井県内の第1波が収まり、保育園や幼稚園でも日常が戻りつつある。一方で、長期間にわたり登園せず自宅にいたり、少人数の保育環境で過ごしたりした幼子の中には、精神面や体調面で不調が出る場合もあるという。「家庭で新型コロナのニュースを見るなどして、不安を抱えている子もいる」と話す福井県の子育てマイスターでスクールカウンセラーの林博美さん(55)に、子どもが発する“SOS”の気付き方や対処法を聞いた。

■子どもの“SOS”チェックリスト

□1:しきりに手洗いをしたがる
□2:身の回りの物を触っていいか気にする
□3:登園をしぶる
□4:生活リズムの崩れ(朝起きない、寝付きが悪い、夜中に目覚める)
□5:おねしょをするようになった
□6:後追いを再びするようになった
□7:怒りっぽい、イライラしている
□8:よく泣く
□9:食が細くなる
□10:腹痛、下痢、頭痛を訴える

 ▽安心させて=(1)(2)

 必要以上に手洗いをしたがったり、扉のノブなど日ごろ使うものに触れるのをためらったりしたら、「手いつもきれいにしてるね、もう大丈夫」「お母さんが家の中きれいにしてあるからね」と安心させて。おうちの人が不安な様子を見せたり、一緒になって手洗いをすると余計に不安をあおってしまう。

 ▽無理せずに=(3)(4)

 生活の変化に弱い子は、登園を嫌がることも。無理に引っ張っていくと拒絶反応が強まるので、親子で登園後30分ほど一緒に過ごして心を慣らすとよい。生活リズムの崩れは園に通ううちに直るケースが多い。朝決まった時間にきちんと起こし、夜も早めに寝かせるよう心がけて。

 ▽怒ると逆効果=(5)(6)

 おねしょや、4、5歳でも1、2歳のころのような後追い(親にくっついていたがる、服の裾を持つ)が見られる場合は、抱きしめたり、お風呂でゆっくりおしゃべりしたりしてスキンシップを増やして。怒ると逆効果。おねしょをしそうなら、事前に尿取りシーツ、おむつなどの対策を。

 ▽気持ち聞こう=(7)(8)

 新生活のストレスが怒りや悲しみに出る場合も。怒りの感情には家族もつられてイライラしてしまいがちなので、巻き込まれないように注意しつつ、子どもが落ち着くタイミングをうかがって気持ちを聞いてあげて。「○○ちゃん、怒るのやめて」などと相手主体の言い方(ユーメッセージ)でなく、「お母さん悲しくなっちゃうわ」と自分主体の声掛け(アイメッセージ)をしてみてほしい。

 ■おおらかに=(9)(10)

 普段より食べる量が少ない時は、朝ならゼリーや飲み物など、無理のない範囲で食べられる物を与えて。体調不良は、原因が体にあるのか心にあるのか分かりにくいので、ひとまず病院へ。体に問題がなければ、親は心配しすぎずおおらかに見守って。

  ×  ×  ×

 元保育士で現在、幼稚園でのカウンセリングにも携わっている林さんは「仕事や生活の変化で大人も余裕がないかもしれないが、子どもの様子がいつもと違ったら、気付いたタイミングで寄り添ってあげて。こまめにケアできなくても、気遣いが伝われば子どもたちは安心するはず」と話している。