7月1日は、夏至から数えて11日目の「半夏生」。この日にサバの丸焼きを食べる風習が残る福井県大野市内では6月30日、炭火でサバを焼く香ばしい匂いが鮮魚店の軒先に漂った。

 江戸時代、大野藩主が田植えで疲れた農民を思いやり、飛び地のあった越前海岸で捕れたサバを丸焼きにして食べさせたのが始まりとされる。

 創業120年を超える老舗「大亀屋」=同市本町=では雨の中、サバを買い求める人や予約の電話が相次いだ。同市の知人に「半夏生サバ」の風習を教わった岐阜県郡上市の80代夫婦は「おいしくて5、6年前から毎年買いに来ている」と笑顔で受け取った。

 10日ほど前から下準備をしており、30、1の両日で850本を焼くという。4代目店主(78)は「江戸時代から400年続く伝統をコロナ禍で止めるわけにいかない」。汗を拭いながら、35〜40センチの特大サバを次々と焼き上げた。