2023年4月の改正道交法施行で自転車利用者のヘルメット着用が全年齢で努力義務となり、1年余りが経過した。福井県警がまとめた2023年度に県内で起きた自転車乗車中の交通事故状況によると、ヘルメットの着用率は17%にとどまった。「着用する人は徐々に増えている印象はあるが、まだまだ浸透していない。地道に啓発していく」と県警担当者。県警は5月の自転車月間に合わせ、指導や広報を強化している。

 県警交通企画課によると、23年度に自転車乗車中の交通事故で死傷したのは94人(前年度比4人減)で、このうちヘルメットを着用していたのは16人(同2人増)。着用率17・0%は前年度から2・7ポイント上がったものの、依然として水準は低い。94人のうち死亡したのは2人で、1人は非着用だった。

 自転車を使用するのは高齢者や中高生が多い。年代別でみると、死傷者数が24人で最も多かった70代以上のヘルメット着用率は20・8%。負傷者が23人だった高校生は1人も着用していなかった。