子供たちからの「朝1番にやることは何ですか?」との質問に対する答えは…

 米大リーグ・レイズの筒香嘉智外野手が16日、出身地の和歌山県橋本市がオンラインで子供向けに開催したイベント「トークとエクササイズ体験会」に参加。自らブリッジ、倒立を披露し、終了後の記者会見では苦闘のメジャー1年目を振り返った。筒香は2019年1月から同市のスポーツ推進アドバイザーも務めている。

 子供からの質問コーナーで「朝1番にやることは何ですか?」と尋ねられた筒香は、「嘘はつきたくないので本当のことを言います」と苦笑を浮かべつつ、「布団を出て、その場に立って30秒から1分間、自分の体の重心を確認することです」と明かした。

 自分の体が、右にも左にも前にも後ろにも傾いていないことを確認する。その前提として、筒香が幼少の頃から現在に至るまで継続している「エクササイズ」の存在がある。小学生の頃、硬式少年野球チーム「堺ビッグボーイズ」の指導で取り組み始め、中学時代には正式に同チームに入団。「その後、高校、プロでも続けてきた。今、体のどこにも悪い所がない。小さい頃から続けてきてよかったと思う」と語った。

 この日は、そのエクササイズの一端として、体操のブリッジや倒立を披露。壁に向かっての倒立は、指先から背中、尻、足までを壁にぴったり隙間なく付けるもので、見た目よりずっと難しい。「力みなく、手の正しい位置に重心をかけることができれば、自然に壁にぴったり付きます」と解説した。

技術的にも人間的に「今までとは違う視界、感覚が開けた」と手応え

 一方で、「日本ではスポーツに限らず、小さい子供にも結果が求められたり、他の子と比較されることが多い。海外の方が、まず好きになることを大切にしていて、夢中になれる環境をうまく作っていると思う」と持論を展開。「エクササイズは、他人と比較するのではなく、自分の体を自由自在に扱えるようになり、能力を最大限に発揮するための物です」と強調した。

 その筒香にとってメジャー1年目の昨年は、いきなりコロナ禍で異様なシーズンを強いられる中、51試合出場、打率.197、8本塁打22打点。チームはワールドシリーズに進出したものの、筒香は代打で3打席に立ち、無安打1三振に終わった。

 思い描いた数字とは程遠かったはずだが、「流れの速い川に飛び込むなら、まず先に飛び込んだ方が、苦しみながらも流れをつかみ、楽しむことができるようにもなる。飛び込まなければ、楽しい思いも遅れることになる」と表現。夢見ていたメジャーに挑戦したこと自体に悔いはない。それどころか、技術的にも、人間的にも「今までとは違う視界、感覚が開けた」と手応えを得た。「今はまだ短い時間ではお伝えできないが、今年のオフか来年のオフには、1年目のことを詳しくお話したい」と語った。

 自分の感覚を頼りに、極めて独自性の高いやり方でプロ野球、メジャーへの道を切り開いてきた筒香。1年目の経験を糧に2年契約最終年となる今シーズンに期待がかかる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)