MLB機構はチームのカルチャー否定もオーナーは反論、米メディアが批判

 アストロズのサイン盗み騒動は、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が発表した調査結果と処罰で“疑惑”が確かなものになった。米メディア「ヤフースポーツ」はMLBの報告書から5つの要素を指摘。解雇となったジェフ・ルーノーGMとAJ・ヒンチ監督についての詳報も掲載された。

 2017年ワールドシリーズ中に起きたアストロズの組織的なサイン盗み疑惑で、MLB機構はルーノーGMとヒンチ監督に2020年の1年間、報酬なしの停職処分、アストロズに対しては2020年と21年のドラフト1巡目と2巡目の指名権剥奪、罰金500万ドル(約5億4700万円)を含む厳罰を下した。記事はこれに対し「MLBの処罰は厳しかった。MLBが試合の公正性について強い声明を発信した」と肯定的だ。

 しかし、ワールドシリーズのチャンピオンは剥奪されなかった。「他の29球団に聞いたら、ワールドシリーズタイトルとこうしたこと――ドラフト1巡目と2巡目の指名権剥奪、罰金500万ドルをトレードするかといえば、多くがそうするだろう」と記事は指摘する。

 ヒンチ監督についても報告書は記し、「(サイン盗みを)承認しておらず、2度にわたり通路のテレビモニターを壊した」という。だが、直接止めることはなかったという。

 また当時ベンチコーチであったレッドソックスのアレックス・コーラ監督についても“策謀者”だと記載された。コーラ監督は2018年のレッドソックスにおける同様の疑惑にも関与していると疑惑を持たれており、調査中だが「今回の処分を踏まえると、1シーズンよりも長い処分となるように思える」と同記事は指摘する。

 個人の責任だけでなく、チームのカルチャーも批判の的となった。マンフレッド氏は「大変問題がある」「何よりも結果を重視する」と表現したというが、アストロズのオーナー、ジム・クレイン氏は「そう思わない」と語った。

 記事では「MLBが『カルチャーが問題だ』と結論を下し、その事実を真摯に受け止めたオーナーであれば、こうしたことの要因をもっと知りたいと思うべきである」とこの態度を批判。「それ以上のことを考えないのは、“カルチャーの問題”に思える」と皮肉を綴る。疑惑はこの報告書と処罰で一つの区切りを迎えたが、レッドソックス、そしてこの問題とされた“カルチャー”がある限り、最終決着とはいかなそうだ。(Full-Count編集部)