プロ初勝利を当時楽天の監督だった野村克也氏の前で挙げた武田コーチ

 日本ハムの武田勝投手コーチが11日、社会人のシダックス時代に叩き込まれた野村野球の継承を誓った。

 キャンプ地の沖縄・名護で野村克也氏の訃報を聞き「先月、元気なお姿でお会いできたので、急な話で本当にショックです」と切り出した。先月25日に都内で行われたシダックス野球部のOB会で久しぶりに再会し、日本ハムの投手コーチになったことを報告したばかりだった。

 シダックス時代の03年に野村氏が監督に就任してから頭角を現し、27歳でプロ入りした。「野村さんがいなければ、今の自分はいないと思います。プロを目指せる選手ではなかった自分を導いて、力を引き出してくださった」と感謝した。

 当時、1番ハッとさせられたのは「お前の武器は何だ?」という言葉。「答えられない自分がいました。それからシュート、チェンジアップを覚えて。バッターが嫌がるピッチングを1から教わりました」と振り返る。09年から4年連続2桁勝利を挙げるなどプロの世界で存在感を発揮する礎となった。

 プロ初勝利は新人だった06年3月26日の楽天戦。楽天の監督になったばかりの恩師の目の前で挙げた。「唯一の恩返しかなと思います」としみじみと語った。

 野村氏からは「将来指導者になる時には、1から10を教える指導者ではなくて、1教えて9気付かせるような指導者になりなさい」と常々言われていたという。「その気持ちを継げるように頑張っていきたいと思っています。野村さんの考え、野球の指導法というものを、今度は私たちが若い子たちに伝えていく時代だと思ってます。必ずこれを継承しながら次の世代につないでいこうと思います」と誓った。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)