フルイニング出場は「メジャーでは無理。いま、そんな選手はいない」

 西武からFA権を行使してレッズ入りした秋山翔吾外野手が12日、成田空港から日航機で渡米した。18日(日本時間19日)にアリゾナ州グッドイヤーでキャンプインする。西武では2014年9月6日から昨季終了まで、歴代2位の739試合連続フルイニング出場を樹立したタフネスが最高の売り物だったが、過酷なメジャーリーグで自分の価値をどうアピールするのか。

「僕には基本的に、ストロングポイント(強み)とかアピールポイントというものがそんなにない。ケガをしないことは、キャンプの時点でアピールするのがすごく難しい。ホームランを何本打てるとか、盗塁を何個できるとか、簡単に数字を挙げられるようなタイプの選手ではないんで」

“噛めば、じわじわ味が出る”のだが、初見から一発で衝撃を与えるような派手さはない。最近3年連続で打率3割&20本塁打以上をマークし、守ってもゴールデングラブ賞6度を誇るが、ボールも相手投手の球威も環境も変わる今季は、額面通りには計算に入れられない。

「その中でチームに必要だったから、最終的にこれだけ打席に立てた、試合に出られたということが自分の価値かなと思う。そのためには、練習やオープン戦の段階から、(首脳陣に)使いたいと思わせる取り組みや結果を求められる」と自覚している。

 西武では全試合フルイニング出場にこだわったが、メジャーのレギュラーシーズンは日本の143試合より20試合近く多い162試合。北米大陸をまたにかける移動も過酷だ。実際、秋山にメジャーでフルイニング出場を続ける意思があるかどうか聞くと「いや、無理だと思います。いま、そんな選手はいないんで」と即答した。

「メジャーリーグでは、選手がベストのプレーをできるように、必要な休養を取るのが当たり前だと思っています」と“郷に入りては郷に従う”構えだ。その上で「不調とか、(レギュラー争いで)他の選手に負けて試合に出られないことは、極力ないようにしたい。僕としては、必要な休養をとる中で、どれだけ試合に出られるかを問われる年齢、立場だと思う」という。

 レッズと3年総額2100万ドル(約23億円)の契約を結んでいるが、安閑とはできない。レッズにとっては球団史上初めて迎える日本人選手で、球団側にも戸惑いがあるだろう。秋山が「期待は微々たるもの。不安の方が圧倒的に大きい」というのもうなずけるが、だからこそ、開拓者としての価値があるともいえる。容易ではない闘いがもうすぐ始まる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)