「リリースの位置」を意識し投球、メジャー使用球には手応え

 ブルージェイズの山口俊投手が14日(日本時間15日)、キャンプ地のフロリダ州ダンイーデンでブルペン入りし、変化球を交えて53球を投げた。後方からモントーヨ監督とウォーカー投手コーチの視線が注がれるマウンドで、途中クイックも駆使しバランスの確認を行うなど、終始自分のリズムを崩さなかった。

 山口が最も意識したのは「リリースの位置」だった。腕を横振りから縦振りになるようにオフから取り組んできた。イメージしたホップするボールがマグワイア捕手のミットに何度も収まった。

「縦回転にボール自体がなってくるので。必然的にボールの伸びも変わってくると思います」

 従来のスリークォーターからの腕の振りより体の近くに腕を上げる意識に変え、ボールに与える回転数はアップ。さらに、その「伸び」を利用する高めを突くための握りを工夫した直球を投げ込んだ山口は、ツーシームとカッターにも「高め用のボールがある」と明かした。この日はボールの回転数や回転軸を計測する「ラプソード」を地面に置き、測定した。

 大リーグの公式球は滑りやすく日本人投手にはやっかいなものであったが、山口は歓迎している。

「縫い目は確実に日本の方が掛かりやすいんですけど、けど動きとすればこっちのボールの方がいいので。でもなんでなんでしょうね。それはちょっと分かりません」

 日本の公式球と比較すると、縫い目が荒く山口曰く「形状も微妙にいびつでボールの重心が少しずれている」。これが追い風になっている。変化球にも「イメージ通りですね。これがゲームに入って今度力が入った時にまたどう変化するのかが変ってくると思うので。現状ではもうイメージ通りにできてます」と納得の表情を見せた。

 巨人時代の同僚である岩隈や上原、横浜時代には先輩左腕の高橋尚成氏にも経験談を求め情報収集に努めた。その中でキャンプに関しては全体練習の短さから消化不良を起こしがちになるとの警告を受け止め、オフに猛トレーニングを積んだ。それを「貯金」と表現し、「日本のキャンプに入る以上に準備はしてきました」と万全な状態を作った。

「気候だったり見る景色が違うのですごく新鮮な気持ちで楽しく取り組めてます」

 32歳のルーキー右腕は、終始穏やかな表情だった。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)