普段は多弁でなく、強く自己主張するタイプでもない佐々木朗

 ロッテのドラフト1位ルーキー・佐々木朗希投手(大船渡高)が24日、本拠地ZOZOマリンスタジアムでフリー打撃に登板し、プロ入り後初めて打者相手に投球した。普段は決して多弁でなく、強く自己主張するタイプでもないように見える18歳の青年だが、初めてベールを脱いだマウンド上では負けず嫌いな一面をうかがわせる瞬間もあった。

 現役時代に日米通算121勝の実績がある吉井投手コーチはこの日も「いつも言うんですが、私が彼の立場(高卒ルーキー)の時は、全然ストライクが入らなかった。球の速さもそうですが、初めてのバッター相手の投球で、しかもあんなに注目されている状態で、ほとんどがストライクだったんで、すごいなと思いました」と佐々木朗を絶賛していた。

 だが、降板後に吉井コーチが「初めて打者が立っている所へ投げて、どうだった?」と問いかけると、佐々木朗は「全然ダメでした」と答えたという。最速157キロを計測した球速についても、吉井コーチは「速さを競う競技じゃないんで、そこはあまり……見てないです」と受け流したが、佐々木朗は真っ先に「球速にばらつきがあった」と反省した。1球1球、ネット裏に表示されたスピードガンの数字をチェックしていたのだろう。

 あくまでフリー打撃、しかもストレートのみと決まっていたのに、同期入団のドラフト5位・福田光(法大)に左中間席まで運ばれると、ムキになって「(次の球は)インコース行きます!」と予告。最初からストライクを取ることを意識していたが、打者に気持ち良く打たせる気は「ないです」と即答。福田光に浴びた1発は「いい気持ちではなかった。速いまっすぐだけでは打たれてしまうので、工夫もしていきたいと感じました」と振り返ったほど、“戦闘モード”だった。

 元ヤクルト投手で通算93勝、最優秀防御率2度の野球評論家・安田猛氏は「『打たれてたまるか!』という気持ちは、投手にとって何より大切。それはフリー打撃であっても変わりません。しかも、あの球威があって、左打者の福田光に左中間席まで運ばれたということは、外角の甘いコースに違いなく、『次、インコース!』というのは現実的な反省でもあったのでしょう」と指摘する。

 その上で「佐々木朗の特に素晴らしい所は、しなやかさと、長身とリーチの長さを生かし非常に高い所からボールが放たれること。ただ、変化球を多投するようになると、肘が下がり、故障にもつながりがちなので、注意が必要でしょう」と警告した。

 27日に予定される次回の打撃投手登板では変化球も交えるが、「そのあとにはシート打撃などもある」(井口監督)。1日も早く佐々木朗が実戦で投げるところを見たいファンにとっては、まどろっこしいが、4月中には実戦デビューも実現する見通し。来るべきその日に向けて、100%の状態で腕を振れるように調整してもらうしかない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)