巨人で活躍し、楽天でヘッドコーチを務めた松本匡史が感じとった「表情」

■巨人 4-1 阪神(5日・甲子園)

 巨人は先発の戸郷翔征投手が阪神打線を8回途中、4安打1失点に封じ、今季4勝目を敵地・甲子園球場でマークした。奪った三振は10個という快投。球の強さや変化球の精度の高さは証明済だが、巨人で活躍し、楽天でもヘッドコーチを務めた野球解説者の松本匡史氏はその「表情」に注目。落ち着いたピッチングとさらなる飛躍のための課題を挙げた。

 戸郷は打者の内角を突く強気な投球を見せたと思えば、タイミングを外す変化球などを駆使し、7回まで三塁を踏ませない好投を見せた。

「落ち着いていますよね。結構、際どい球がボールの判定をとられていました。それでも、顔色を変えずに淡々と投げ続けていました。投球中に悔しさを表情に出したのは1回くらいかと。『この子はすごいな』と感じました」

 高卒2年目の20歳とは思えぬマウンドでの立ち振る舞いだった。右肘を伸ばしたまま腕を振るアーム式については「このフォームの球は速いけど、コントロールが定まらないという投手はたくさん見てきました。ですが、戸郷投手は崩れるタイプではない。そう考えるとすごいなと思います」と体の強さと柔らかさをピッチングフォームから見ることができた。「クセ球もあり、バッターも打ちづらい。右打者のインコースに大胆に攻めていけるところが一番の強みに感じます」とこの日も阪神・サンズにもどんどんインコースを攻めるなど、制球力の高さを見せた。

 8回に木浪、植田と連続安打を浴びて、マウンドを降りた。降板時にはピッチングでは見せなかったような悔しさを露わにしていた。「ベンチとしては勝たないといけませんから、ああいう交代になったのは仕方がありません。代えられてしまったのは、信頼度を表します。完投するためには、どうしたらいいかと。8回に7番、8番の下位打線に打たれてしまいましたが、下位打線をしっかり抑えないと完投はできません」。素晴らしい投球の中であえて成長への注文をするとすれば、このあたりになるだろう。

「巨人はローテ―ションもしっかりと組まれていますし、彼自身も非常に考えている。投げるたびに、次に生かすような投球をしています。若いと疲労があっても無理して投げてしまうケースがあります。肘肩にも負担が出てくるでしょう。首脳陣やトレーナーも気にしているとは思いますが、話し合いをしっかりと持てるような関係でいてほしいと思います」(Full-Count編集部)