自己最速を一気に4キロ更新、ダルビッシュ「左で155km/hって笑」

 延期となっていた東京六大学リーグが10日、神宮で開幕し、今秋ドラフト上位候補左腕の早大・早川隆久投手(4年)が自己最速を4キロ更新する155キロをマーク。明大相手に1失点で12三振を奪い、リーグ戦初完投で通算8勝目を挙げた。

 早川の1球に、神宮のネット裏がどよめいた。初回2死、3番・丸山和郁(3年)に対して2球目だ。思い切り腕を振って投げた直球にバットが空を切る。表示されたのは155キロ。立ち上がりから150キロ超を連発していたが、自己最速を一気に4キロ更新した。DeNA、ソフトバンク、阪神など、ネット裏でスピードガンを構えていたスカウト陣の目線も鋭くなった。

 試合中、この1球に海の向こうで反応したのが、カブスのダルビッシュ有投手だった。「BIG6.TV」が速報した動画に対して「いやいや笑 左で155km/hって笑 体感も速そう」と驚きの顔文字付きでツイート。ネット上で瞬く間に話題となった。

 しかし、本人は冷静に勝利にこだわった。これまでリーグ戦で完投経験はなし。1-1で迎えた6回に5番・蛭間拓哉(2年)の3ランで勝ち越すと、7回終了後に小宮山悟監督から「どうだ?」と聞かれると「行きます」と続投志願。8回は圧巻の3者連続三振。9回も140キロ台後半と球威は衰えず、最後はこの日12個目の三振で白星をたぐり寄せた。

 試合後、155キロを出した球速については「特に自分は意識していなかった。前半から球が高めに浮いていたので、力みがある分、球速が出ていた感じ。それよりも低めに決めきれていないのが課題」と冷静。自粛期間中は「体づくりを徹底していた」といい、4月はランニング量を増やしてボールに触れない時期も作るなど、創意工夫で進化につなげた。

 小宮山監督も「ほかに投げさせたかった投手を投げさせられなかったことはマイナス」と冗談を入れつつも「今まで投げきることもできなかった人間がこれだけ完璧なピッチングをしてくれた。これはチームにとっても大きなこと」と手放しで称えた。

 木更津総合(千葉)時代は3年春夏連続8強入り。甲子園で名を馳せ、U-18高校日本代表では履正社・寺島成輝(現ヤクルト)、作新学院・今井達也(現西武)らとともに9月のアジア選手権優勝に貢献した。図らずも、かつて躍動した季節に行われる春のリーグ戦。夏の日差しに照らされ、輝きを放った左腕が、秋のドラフト戦線の主役を伺う。(Full-Count編集部)