アメリカは「沖縄でなくてもよかった」〜ETV特集「ペリーの告白〜元米国防長官・沖縄への旅〜」

ギャラクシー賞月間賞:ETV特集
「ペリーの告白〜元米国防長官・沖縄への旅〜」

11月18日放送
23:00〜24:00
日本放送協会


 1994年。アメリカのクリントン政権が北朝鮮に対して軍事的解決に乗り出すのではないか、しかも臨戦態勢であると言われた。そして日米間では96年4月、日米共同宣言が出て、普天間飛行場の移設が文字になった。   
 今から20年以上前のことだ。だがこの番組が、当時国防長官だったウィリアム・J・ペリーから聞き出そうとしていることは、過去のことではない。

 普天間飛行場移設は、現在進行形の問題である。ペリーは日米間の交渉について「移設するのはどこでもよかった」「基地があれば北朝鮮の攻撃対象になる」と語る。移設先は県外でもいいと言うのだ。県外ではアメリカが納得しないと、日本では説明されたのに。

 沖縄に在日米軍の負担を押し付けている。ペリーは、そのことは十分に理解しているという。ペリーが日本側の交渉相手としたなかに、大田昌秀元知事がいた。反米と言われる大田の背景を、ペリーは十分理解していたという。大田は沖縄戦の生き残りであり、自分も沖縄戦に関わった。ペリーのあの当時の活動は、沖縄戦以来の流れの上に乗っていたことになる。

 ペリーは、「沖縄との懸け橋になろうとしたがなれなかった」という主旨を語る。アメリカの国防長官だった人物の発言だ。沖縄問題とはいったい何だったのか。つくづく考えさせられる。政権の中核にあった人物が当時を語る。そして現地沖縄に出かけていく。ペリーの発言は回顧でなく、告白そのものだ。96年のことについて「謝罪しない」「何もしないより良い」。当時の状況は「ボールを取った外野手の落球」と言う。そこには、オスプレイの問題があった。

 ペリーが日本側の要求だとする普天間飛行場の辺野古沖移設は、この先どうなるのだろう。ペリーの「諦めることはありません」という言葉を、どう受け止めればよいのか、考えさせられた。今発言する内容としてはあまりに重い。今、アメリカには、何か特別な意味があるのだろうか? 考えてしまう。ぜひ続報を期待したい。(岩城浩幸)


★ギャラクシー賞月間賞とは?=NPO放送批評懇談会が、優れた番組を自主的に選び出す制度。月間賞に選ばれた番組は、年間のギャラクシー賞審査に自動的にエントリーされる。


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