古典メディア論から学ぶもの〜「100分deメディア論」

ギャラクシー賞月間賞:「100分deメディア論」

3月17日放送
23:00〜24:40
日本放送協会、NHKエデュケーショナル、テレコムスタッフ

 今ほどマスメディアのあり方が厳しく問われている時代もなかったかもしれない。だが当のマスメディアがそのことを正面から取り上げるケースはそれほど多くなく、テレビもまた例外ではない。もちろんただ頭ごなしに非難するだけでは意味がない。そこにはちゃんとした対話、そして根拠が必要だ。今回の「100分deメディア論」は、それを見事に実証した。

 ここで対話の根拠となるのは、4人の識者がそれぞれの観点から選んだメディア論の古典である。リップマン『世論』、サイード『イスラム報道』、山本七平『「空気」の研究』、そしてオーウェル『1984』。なかには難しい概念や言い回しもある。それを各識者はわかりやすくかみ砕きながら、勘所を押さえていく。その手際の鮮やかさがまず光る。

 司会の伊集院光の存在も見逃せない。例えば、テレビの制作現場がいかに視聴率至上主義に陥っているかということについての自身の体験に基づいた、笑える一方で恐ろしくもなるエピソードの披露など、随所で識者と視聴者の貴重な橋渡し役を果たしていた。

 そのうえで、スペシャル版ならではの4人の識者による対話は、知的興奮を与えてくれるだけでなく、現在の社会とメディアについてのアクチュアルな視点を提供してくれる、とても充実したものだった。


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