文=在英ジャーナリスト
小林恭子


外出禁止令、その後

 新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、3月23日、英国では外出禁止令が出た。例外は、一日一回、買い物、運動をする、あるいは医薬品などを買うために外に出る場合だ。同居する家族以外の2人以上が集まることは禁止。働く人は自宅勤務を奨励された。禁止令は5月中旬から少しずつ解除されてきたものの、他者と一定の距離を取る「社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)」が、広く語彙の一部となった昨今だ。
 3月末以降、「不要不急」とされた多くの小売店が閉鎖を余儀なくされた。その後、次第に開店可能な店舗は増えていったが、店内ではほかの人と2メートルの距離を置く必要があるため、入店者数が制限され、長い列を作って自分の番を待つことになった。
 英国ではもともと、市民にはマスクを着用する習慣がなかったが、最近ではつける人を若干見かけるようになってきた。

リモート出演・制作が恒常化

 外出禁止令前後から、英放送界は続々と人員配置、番組編成を変更するようになった。収録中のドラマ撮影は中止され、ポッドキャストを含む複数の番組の制作が停止。視聴者をスタジオに集める形の番組は、視聴者を入れずに制作するようになった。BBCは人員削減するはずだった450人の雇用を続行することにし、新型コロナに関するニュース番組を拡充させている。ニュース番組は「コロナ一色」となった。