◇国内女子◇アース・モンダミンカップ◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6622yd(パー72)

当初予定から3カ月以上遅れて今季初戦を迎えた国内女子ツアー。その会場で久しぶりに顔を合わせたプロキャディたちの間で、うわさになったことがある。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた国の支援制度である持続化給付金は多くのキャディたちが手にできたが、それとは別に、試合がないにも関わらず、まとまったお金を選手から受け取ったキャディがいるというのだ。

そのうわさの主は、今大会ではある女子選手のバッグを担いで予選ラウンドで姿を消したが、昨年から男子プロ・谷口徹の専属となった5年目の若手キャディ。本人に直撃すると、ちょっぴり申し訳なさそうにその事実にうなずいた。

「5月下旬に谷口さんから『生きとるか〜』って電話が来ました。『お金大丈夫かぁ?』って言われて、『給付金が下りたから、なんとか大丈夫です』って答えたら『そうか、じゃあ俺も振り込んでおくわ』って…」

後日、銀行口座を確認すると、思わぬ大金が振り込まれていた。受給要件に配慮したのか、谷口は給付金が下りるまでは入金を控えていたようだった。今季の男子ツアーで中止が決まった各試合分の「基本給」に当たるほどの金額で、すぐに谷口に電話を入れて謝意を伝えた。言われたとおり「キャンセル代」として領収書も用意した。

通常は試合ごとに、一週間分の基本給(経費を含む場合と含まない場合がある)と、成績に応じたボーナスがプロキャディの報酬となる。予選落ちをしたら経費でトントン。試合に出なければ、当然一銭にもならないのがキャディ界の常識だ。まして、中止になった試合のキャンセル代なんて…。

ツアー中断中は地元でキャディのアルバイトもしていたが、コロナ禍もあり、その仕事もなかなかありつけるものではない。先の見えない中で触れた大先輩の男気あふれる心遣いに「リスペクトしています」と恐縮した。

現時点では7月30日に開幕するシニアツアー「ISPS HANDA コロナに喝!! シニアトーナメント(静岡)」で、谷口とタッグを組むのが次戦の予定。「この恩を返せるようにしたいです」と、いつも以上に力の入る一戦となりそうだ。(編集部・今岡涼太)