◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日(14日)◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6710yd(パー72)

5月に始めた医療従事者にお弁当を届ける「みかんプロジェクト」は、1カ月以上に及んだ活動を6月25日に終了した。宮里美香は「県内だけじゃなく、全国のテレビや新聞も取り上げてくれて、びっくりするくらい反響が大きかった」とその反応に驚いていた。

新型コロナウイルスの感染拡大で自粛を求められている間、宮里は多くの時間を地元・沖縄で過ごしていた。自身のキャリアを振り返れば、プロ転向してすぐ米ツアーに挑戦し、海外で9年間を戦い抜いた。帰国してからも国内を転戦する日々。これだけ、沖縄で長い期間を過ごしたのは、高校生のとき以来だ。

13日、沖縄は県独自の緊急事態宣言を2週間延長する方針を発表した。観光客が減り、沖縄経済の見通しは決して明るいものではないが、それでも周囲を見渡せば懸命に日々頑張っている仲間たちがいる。宮里は、そんな人々への応援と感謝を伝えるために、「みかんプロジェクト第2弾」として1本の動画を制作した。プロジェクトには、サッカーのJリーグFC琉球で活躍する小野伸二選手も賛同して出演を快諾。撮影や編集は、地元の知人らに依頼した。

14歳8カ月の史上最年少で「日本女子アマ」を制し、23歳で「日本女子オープン」史上最年少での複数回優勝を果たすなど、若い頃から第一線で活躍してきた宮里ももう30歳。「なぜゴルフを続けるのか?」という問いに、少しずつ新たな意味を見出せるようになってきた。

「ゴルフを通して、何かしら恩返しができたらいい」。社会的影響力のあるプロゴルファーとして、世の中にポジティブなメッセージを伝えていく。自身のプレーでその気持ちを表現する。これから世に出ていこうとする若手選手たちとはまた少し違ったモチベーションが、宮里の原動力になっている。

動画を通じて、「こんな時だからこそ、『誰かのせい』ではなく、『誰のために』や『誰かのおかげ』という気持ちを持って、皆で力を合わせてこのウイルスに立ち向かっていきたい」と訴える。

大会初日を迎えた軽井沢。「きょうはショットもパットもイメージ通り。大満足のラウンドでした」と4バーディ、ボギーなしの4アンダー5位で滑り出した。前半4番で先にピンチが訪れたものの、3mのパーパットをねじ込んで、逆に流れを手繰り寄せた。

プロゴルファーの放つ1打は、決して単なる1ストロークにとどまらない。宮里の一打一打から、そんな気持ちをくみ取りたい。(長野県軽井沢町/今岡涼太)