松山英樹 今季3勝目へのカギは「勝ちたい意識」との戦い

松山英樹 今季3勝目へのカギは「勝ちたい意識」との戦い

◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 3日目(5日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)

高まる周囲の期待とは裏腹に、松山英樹はゆっくりと言葉を紡いでいく。「優勝争いをしている内容じゃないんで…」。世界選手権2勝目への勝負所はまだ先にある、と言いたげだった。4アンダーの3位タイから出たムービングデーは5バーディ、2ボギーの「67」。首位に2打差の通算7アンダー4位とし、2月「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」以来の今季3勝目、米ツアー通算5勝目を視界にとらえた。

手応えとは裏腹に、ボールはピンへとしっかり向かっていく。出だし1番で1m強のバーディパットを外した後も、前半はチャンスを作り続けた。アウト9ホールですべてパーオンに成功。「まだピンを狙っていこうというほどではない」と状態を憂いたが、バーディパットの“分母”の数を増やして3バーディ。8番で9mを流し込みトップに肉薄した。

後半の入り口は雰囲気が一変。ピンチの連続だった。10番、フェアウェイからの2打目がスピンと傾斜で手前のラフにこぼれ、アプローチの後に1mのパーパットを外した。続く11番も1Wショットを左に曲げ、再び1mを決めきれず2連続ボギー。「全然難しくないライン。なんで外れたのか分からない」と精神的なダメージは大きかった。

激流を踏み堪えたのはその直後。12番でグリーン奥からのアプローチを寄せてパーを拾い、13番でもピンチを切り抜けた。1Wショットを右の林に突っ込み、フェアウェイへレイアップ。残り94ydの3打目をピンそば1.5mにつけてボギーを回避した。「連続ボギーになってもおかしくなかった。そこで留まれたのは良かった」。スーパーセーブで再び波に乗り、続く14番で2mのチャンスを活かしてバーディを取り返す。8mを沈めた17番のバーディが、あすの最終組のひとつ前でのスタートを確約させた。

WGC初勝利を狙うザック・ジョンソン、トーマス・ピータース(ベルギー)が引っ張るリーダーボードは、5打差以内に9人がひしめく。戦況に目を凝らす様子は松山になく、「まだ自信を持って打てていないところがある。でも、ティショットの曲がり幅が少なくなっているので、自信を持ってやれているような……どっちなんだ、分かんないな(笑)」と自身の調子を測りかねている。

だからこそ、キーポイントに「この3日間みたいにゆっくり攻めること」を挙げた。「(優勝争いでは)勝手に“勝ちたい意識”が入ってくる。そういう時にピンを狙っていきたい気持ちがすごく強くなると思うんですけど、それは、良いことかもしれないですけど、(今の状態では)まだそこに技術が伴ってきていない。それをどこまで抑えられるかによって変わると思う。きょうは(ボギーにした)10番で抑えられなかった」

昨年、アジア勢初のWGC制覇を遂げた10月の「WGC HSBCチャンピオンズ」は、トップで迎えた最終日に後続との差を3打から7打にひろげて圧勝。今度は混戦を勝ち抜いてカップを高々と掲げる。(オハイオ州アクロン/桂川洋一)

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