乗ってみてわかった東武鉄道「リバティ」のすごさ! 新型特急の快適さに鉄道マニアも脱帽

東武鉄道の新型特急500系「Revaty(リバティ)」が4月21日から走り出す。それに先立ち、ツアー客や報道陣を対象に試乗会が開かれた。実際に乗ってみると、この新型特急……目新しく快適で、なかなか“すごい”というのが正直な感想だった。本稿では、実際にどのような特急電車なのかをレポートしていきたい。

↑試乗会用の列車が9時21分に浅草駅に入線。ツアーへの応募者も多く関心の高さがうかがえた↑試乗会用の列車が9時21分に浅草駅に入線。ツアーへの応募者も多く関心の高さがうかがえた

 

【試乗会レポートその1】

9時30分に浅草駅を出発! なめらかに加速していく

試乗会があったこの日は、約4年の歳月をかけて修復を終えた日光東照宮「陽明門」の公開日でもあった。一般向けの試乗会は、この日光東照宮「陽明門」を見学する「修復完成公開ツアー」として企画された。

 

久々に姿をあらわす陽明門の見学ができ、運転開始前のリバティにも乗車できるツアーということもあって大人気。先着順で公募したところ、往復日帰りプランの場合、発売日から数日で応募が締め切られ、キャンセル待ちが出るほどとなった。陽明門とともに、新型特急への関心の高さがうかがえた。

 

試乗会当日の浅草駅9時21分。ツアー客のほとんどがカメラを向けるなか、リバティが3番線へ静かに入線してくる。シャンパンベージュと呼ばれるメタリック塗装がかっこいい。筆者は慌ただしく外観を撮り車内へ。4号車の窓側に陣取った。浅草駅9時30分、リバティは“いつの間に走り出したのか”と思うぐらいなめらかに走り出した。

↑浅草駅を出発するとすぐに渡る隅田川。橋梁からは進行方向左手に東京スカイツリーが見える↑浅草駅を出発するとすぐに渡る隅田川。橋梁からは進行方向左手に東京スカイツリーが見える

 

走り出してすぐに隅田川橋梁を渡る。進行方向左手に東京スカイツリーを見ながら、列車は進む。加速もスムーズ、電車に付き物のさまざまな“音”も気にならない。今回は、試乗会ということで、リバティの車両設計に携わった東武鉄道のスタッフが、車内放送で車両を紹介。走行音が静かなこともあり、このアナウンスが非常に良く聞きとれた。

 

さらに乗っていて横揺れがあまり感じられなかったのも好印象。リバティは車体動揺防止制御装置(フルアクティブサスペンション)を備えている。そのせいなのか、揺れが少なく感じた。乗り心地が良く、電車に“乗っている感覚”がない(もちろん悪い意味ではない)。筆者はこの翌日、JR在来線の特急電車651系に乗ったが、やや古い形式の車両ということで電車に付き物の横揺れがあり、車内の“音”もそれなりに感じた。

 

なにより651系の場合、車内の通路を歩く時に右に左にけっこう振られた。一方、リバティの場合は左右にほとんど振られず、通路を歩くのもラクだった。もちろん、その時の線路の状態などに差があったかも知れないが、さすがに新型特急は違うな、と実感した。

 

【試乗会レポートその2】

これは快適! ガラス窓の上に小さな送風口を発見

東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の北千住駅〜北越谷駅間は日本最長の複線区間だ。この複線区間を快適に走る。多くの特急や通勤電車とすれ違い、同方向へ走る普通電車を追い抜いて行く。南栗橋車両管区と呼ばれる車両基地を横目に見て、JR東北本線の線路を越え、利根川橋梁を渡る。そして、列車はまもなく栃木県に突入。

↑沿線には南栗橋車両管区春日部支所など複数の車庫がある。停まる電車を見ながらリバティは北へ進む↑沿線には南栗橋車両管区春日部支所など複数の車庫がある。停まる電車を見ながらリバティは北へ進む

 

移り変わる車窓が気になるところだが、車内のインテリアにも目を向けてみよう。室内の照明はオールLED。座席の腰掛けは江戸小紋「継小紋」がモチーフで、「江戸紫」色の生地が使われる。小紋の柄が折り込まれた座席の生地はおしゃれ、江戸紫の色はほどよい明るさで、目に優しく感じる色具合だ。

 

また、窓と窓の間にある木の柱部分には、江戸小紋の縁起物「勝虫(トンボ柄)」がデザインされる。トンボの目の部分がフックとなっていて、上着などを掛けることが可能。このフックが一部の座席で使えない位置になってしまうのが、ちょっと残念にも感じた。

↑座席は江戸紫色の布地が使われたリクライニングシート。窓間の柱部分にトンボ柄がデザインされる↑座席は江戸紫色の布地が使われたリクライニングシート。窓間の柱部分にトンボ柄がデザインされる

 

窓側に座ってみる。窓に近づいてみると、やや……。上から風が吹いてくるではないか。「何だろうこれは?」と見上げてみたところ、窓の上に送風口が付いていたのである。しかもこの送風口にはつまみがあり、このつまみをずらすと風の吹き出し具合を調節することができる。上部の荷物棚との間にも通路側へ吹出し口がある。これらの送風は座席に向かって強く吹き出すわけではなく、あくまでも微風といった穏やかに感じる強さだった。

 

車内の室温は、すべての人に適温に調整することが難しい。日があたる側は暑く感じることもあるだろうし、日陰側は寒いと感じることもあるだろう。暑く感じれば、この吹出し口を開け、寒ければ吹出し口を閉めれば良いわけだ。ガラス窓に沿いに風を流せば、ガラス窓に付く結露を防ぎ、曇り止めにもつながる効果もあるだろう。

↑ガラス窓の上に送風口があり、微風が出ている。赤い矢印が指すつまみを動かせば風の吹出し具合を調節することができる

 

実はこの仕組み、リバティの報道用パンフレットには記載がなかった。記載はないものの、細かいところに気を配った良い仕組みだと感じた。

 

【試乗会レポートその3】

SL大樹も走行予定! 注目を浴びる鬼怒川・南会津エリア

11時17分、日光市観光協会の女将の会や駅スタッフの出迎えを受け、リバティが終点の東武日光駅に到着。この日、リバティを使ったツアー列車は2本運転されたが、どちらの列車も平日にも関わらず満員で運転された。

↑東武日光駅へ入線。4月21日以降は6両で東武日光まで走ることは少なくなる。貴重なシーンに巡りあえた↑東武日光駅へ入線。4月21日以降は6両で東武日光まで走ることは少なくなる。貴重なシーンに巡りあえた

 

東武鉄道としては26年ぶりに造られた新型特急電車。走らせる東武鉄道だけでなく、沿線の市町村も新特急の運転に寄せる思いは強い。とくに初の特急電車が乗り入れとなる、野岩鉄道(やがんてつどう)や会津鉄道の沿線では“リバティ効果”に期待が高まっている。

↑東武日光駅では女将の会や武者姿のPRスタッフ、駅スタッフがリバティの試乗列車を出迎えた↑東武日光駅では女将の会や武者姿のPRスタッフ、駅スタッフがリバティの試乗列車を出迎えた

 

↑駅に停まると列車連結部のライトが点滅。ホームとのすき間があることを注意喚起する仕組みだ↑駅に停まると列車連結部のライトが点滅。ホームとのすき間があることを注意喚起する仕組みだ

 

さらに東武鉄道では現在、SLの復活運転プロジェクトに取り組んでいる。SL大樹(たいじゅ)と名付けられたSL列車の運転開始は8月10日から。東武日光線と東武鬼怒川線の分岐駅・下今市駅と鬼怒川温泉駅間を土日・祝日中心に3往復のSL列車が運転される予定だ。

↑下今市駅構内では、SL列車の運転開始に向け車庫と方向転換用の転車台の設置工事が続けられていた↑下今市駅構内では、SL列車の運転開始に向け車庫と方向転換用の転車台の設置工事が続けられていた

 

↑SL大樹はC11形蒸気機関車がけん引する。南栗橋車両管区では連日のように試運転が続けられている↑SL大樹はC11形蒸気機関車がけん引する。南栗橋車両管区では連日のように試運転が続けられている

 

4月21日からは、500系リバティが浅草駅と東武日光駅間を結ぶほか、浅草駅と東武鬼怒川線の新藤原駅、会津鉄道の会津田島駅などとの間で走行が予定されている。

 

なお、浅草駅〜下今市駅間は3両×2編成の6両で走る。下今市駅で切り離し、3両ずつ東武日光駅と新藤原駅・会津田島駅へ向かうという運転方式。ここで500系リバティの最大の売りである先頭部の貫通扉、貫通ホロを設けた仕組みが生きるのだ。

 

さらに500系はビジネス向け特急として、浅草駅と大宮駅、野田駅、春日部駅などの間も走行予定。500系リバティのほかにも、従来の100系スペーシア、200系りょうもうなどの運行も続けられるため、東武鉄道の特急列車がさらに便利になるわけだ。

↑野岩鉄道、会津鉄道沿線には名湯も多い。写真は川治湯元駅から徒歩10分ほどの川治温泉薬師の湯。渓流を望む混浴の露天風呂がある↑野岩鉄道、会津鉄道沿線には名湯も多い。写真は川治湯元駅から徒歩10分ほどの川治温泉薬師の湯。渓流を望む混浴の露天風呂がある

 

リバティの運転とSL復活は、やや冷え込みがちだった鬼怒川温泉への観光客への誘致につながるだろう。野岩鉄道、会津鉄道への乗り入れにより、栃木県の奥鬼怒地方、福島県の南会津地方の活性化につながるものと見られている。

 

鬼怒川流域や奥鬼怒・南会津は温泉も多い。さらに自然や景勝地に恵まれる。トレッキング、ウォーキングにも最適な土地柄だ。尾瀬ケ原へ行くのにも便利になる。観光資源の宝庫でもある日光、鬼怒川流域、そして奥鬼怒、南会津。リバティの運転開始を機会に、その良さを見直したいものである。

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