記録形式は? 基本のカメラ設定は? イチからわかるデジタル一眼動画の始め方【後編】

一眼動画は、一般のビデオカメラでは望めない大きなボケ表現や質の高い描写などが得られると、最近注目を集めている。加えて、4K動画撮影に対応する機材も増えてきた。そこでここでは、一眼動画を楽しむための機材選びやカメラ設定、専門用語などについて詳細に解説。後編となる今回は、カメラ設定や動画撮影で用いられる用語を中心に解説。普段使用している一眼カメラで動画撮影を楽しむための基礎をマスターしよう!

 

【関連リンク】

動画撮影に最適な一眼カメラは? 必要な機材は? イチからわかるデジタル一眼動画の始め方【前編】

↑動画撮影のカメラ設定のキモは、シャッター速度が1/60秒前後になり、低速シャッターが使えない点。ISO感度や露出の設定などを工夫する必要がある↑動画撮影時のカメラ設定のキモは、シャッター速度が1/60秒前後になり、低速シャッターが使えない点。ISO感度や露出の設定などを工夫する必要がある

 

【画質と記録方式】編集&視聴環境に合わせた設定を選ぶ

動画撮影時は、動画の品質を選ぶ必要があるが、設定が画質と記録方式に分かれており、慣れないとややわかりにくい。そこで、ここでは画質(画素数)とフレームレート、記録方式について解説する。また、一部のカメラで採用されている「Log記録」と「4:2:2 10bit記録」についても紹介。ただし、基本的には、撮りたい画素数と視聴環境に応じた記録方式を選べば問題ない。例えば、編集することなくフルHDのテレビなどで見るのが前提なら、画素数は「1920×1080」を選び、記録方式を「AVCHD」に設定すればOKだ。

↑画素数的には約800万画素となる4Kは魅力だが、テレビやモニターなどが対応している必要があり、データ量も大きくなる。その点では、フルHDも実用的だ↑画素数的には約800万画素となる4Kは魅力だが、テレビやモニターなどが対応している必要があり、データ量も大きくなる。その点では、フルHDも実用的といえる

 

【画素数】現在は4KとフルHDが一般的

動画の場合はテレビ放送などとの兼ね合いで、設定できる画素数が基本的に決まっている。フルHDなら1920×1080、4Kなら3840×2160となる。設定できる画素数の種類は、機種に依存するが、下のようにおよそ5種類程度がある。

 

DCI 4K(4096×2160)
4096×2160の画素数の動画で、主に映画撮影などに使用される。そのためアスペクト比が256:135と特殊で、いわゆる4Kよりも横長だ。

 

4K(3840×2160)
4K UHDTVとも。3840×2160の画素数を持ち、テレビ放送などに使われる。アスペクト比は16:9。一般に4Kとはこの画素数を指す。

 

Full HD(1920×1080)
2Kとも。1920×1080の画素数を持つ。最近のカメラは、この解像度で撮れるものがほとんど。テレビなどで観賞するのに最適な画素数だ。

 

HD(720HD・1280×720)
漠然とVGA よりも高い画素数を指す場合もあるが、一般に1280×720の画素数で720HDとも呼ばれる。PCで扱う場合など、軽いデータにしたいときに最適。

 

SD(640×480)
スタンダード・ディフィニションの略。旧来のテレビ放送同等とされる画素数で、640×480ドット。データが軽量で通信用途などに向く。

↑動画の解像度としては8Kなどもあるが、一眼カメラで撮影できる一般的な画素数としては、DCI 4K や4K が最高画素数。 実にフルHDの4倍の情報量を持つ。以前は一般的だった640×480は、最近のカメラだと設定自体がない場合も多い↑動画の解像度としては8Kなどもあるが、一眼カメラで撮影できる一般的な画素数としては、DCI 4K や4K が最高画素数。実にフルHDの4倍の情報量を持つ。以前は一般的だった640×480は、最近のカメラだと設定自体がない場合も多い

 

【フレームレート】一眼動画のフレームレートは60pと30pが主流

日本で採用されているテレビ規格では、秒間約30コマが一般的で、カメラの設定も同様に秒間約30コマ記録がメジャーだが、最近は高性能化し、60コマで撮影できる機種が多くなった。表記はそれぞれ30p、60pとされる場合が多い。ちなみに「p」とは「プログレッシブ」のこと。これは半分の解像度の画面を2回表示して、補完する「インターレース」(60i)との違いを表現している。

↑プログレッシブ動画は、全コマフル解像度で動画が構成される。倍速(120fps)で記録してスロー再生が可能な機種もある↑プログレッシブ動画は、全コマフル解像度で動画が構成される。倍速(120fps)で記録してスロー再生が可能な機種もある

 

【記録方式】動画の用途に応じてMP4やMOV、AVCHDなどを使いわける

記録方式とは動画をどのように圧縮して、どういった状態で記録するかを決めるもので、AVCHDとMP4、MOVが一般的。フルHDやHD 動画で多く用いられるAVCHDは、テレビなどの家電で動画を再生するための規格で、撮影した動画をそのままテレビで見る場合などに向く。MP4やMOVは単純に圧縮された状態で記録されるので、動画編集を行う場合などに適する。

↑MP4とMOV、MP4とAVCHDなど2〜3種類の記録方式を採用した機種が多い↑MP4とMOV、MP4とAVCHDなど2〜3種類の記録方式を採用した機種が多い

 

【主な動画の記録方式】

MP4
MPEG-4という国際規格に準じたファイル形式のこと。。PCなどでの再生・編集に向き、画像データなどと同様の扱いで、メモリーカードに記録される。基本的にはPCなどで再生できる。

 

MOV
アップル社が開発した動画形式で、JPEG圧縮をベースにしたモーションJPEG圧縮で記録するカメラがある。MP4同様、メモリーカード上では、画像などと同様に記録され、PCなどでの再生・編集に向く。MP4に比べてデータが大きくHDDなどに若干の負荷がかかるが、CPUへの負荷は小さい。

 

AVCHD
テレビなどの家電製品で再生しやすいように専用のフォルダーに記録される。メモリーカード上では「PRIVATE」フォルダー内に付加情報などとともに記録される。圧縮形式自体はMPEG4/AVC(H.264)で、MP4と同じものだ。編集なども可能ではある。ソニーやパナソニックのカメラなどで用いられる。

 

XAVC S
主にソニーのカメラで4K記録する場合に用いられる方式。AVCHD同様、専用のフォルダーに格納され、専用機器で再生しやすいようになっている。元々は、XAVCという業務用機器に用いられていた方式を民生化したものだ。

 

階調や色再現に優れた特殊な記録方式に対応したカメラも増えてきた

動画撮影対応の一眼は、業務用途や映像作品の制作に使われることも多く、昨今はより豊かな情報を持った方式で記録できるカメラも増えている。その代表的なものが「Log」記録だ。また、カメラが記録する情報量自体を増やして、より色再現性を高めた「4:2:2 10bit記録」などに対応した製品もある。これらを用いることで、HDRのような白とびしにくい映像や、色のグラデーションが美しい映像を得ることが可能だ。

 

動画の特殊な記録方式① Log 記録

カメラによっては動画の「Log」記録に対応している場合がある。これは、撮影後に動画を編集・加工することを前提に階調をできるだけ引き出せるカーブで記録し、階調豊かな動画を得ようとする記録方式だ。映画やドラマ、CMの撮影で用いられている。あくまで加工前提なので、撮影したままでは全体に暗く眠い印象の動画になるため、通常の撮影での使用はおすすめできない。

↑Log記録のガンマカーブの例。図はキヤノンのLog 記録「Canon Log」のガンマカーブグラフ。通常のテレビより輝度を下げるカーブで記録することで、暗部の諧調を豊かにしている。プロの撮影・編集現場で用いられることが多い↑Log記録のガンマカーブの例。図はキヤノンのLog 記録「Canon Log」のガンマカーブグラフ。通常のテレビより輝度を下げるカーブで記録することで、暗部の諧調を豊かにしている。プロの撮影・編集現場で用いられることが多い

 

動画の特殊な記録方式② 4:2:2 10bit記録

パナソニックのGH5は「4:2:2 10bit 記録」という記録方式に対応する。これは、輝度情報(Y)4画素に対して、青系色差情報(Cb)と赤系色差情報(Cr)をそれぞれ2画素ずつ取り込み、色解像度を豊かにする方式だ。通常は4つの輝度信号に1つずつCbとCrを記録する(4:2:0)。10bit記録とは信号の階調を指し、1024階調で表現できる。

↑左が4:2:2の概念図。通常用いられる4:2:0(右)に対して、CbとCrを多く取り込むんで、色解像度を向上させることができる↑左が4:2:2の概念図。通常用いられる4:2:0(右)に対して、CbとCrを多く取り込むんで、色解像度を向上させることができる

 

【動画撮影時のカメラ設定】カメラの状態ができるだけ安定する設定に

ISO感度やホワイトバランスなどのカメラ設定については、写真撮影と基本的な考え方は同じ。ただし、一瞬を記録する写真と違って、動画は連続して記録されるため、できるだけカメラの状態を安定させる必要がある。ここでは、そのための設定をそれぞれ解説する。例えば、ホワイトバランスをオートにして動画を撮影すると、光源がわずかに変わるだけで、画面の色味が変化してしまう。そのため、「太陽光」などに固定したほうが安定した色味で観賞できるといった具合だ。

 

ISO感度の上限を上げる

↑ISO感度設定は、基本的にオート設定でOKなのだが、動画撮影時は1/15秒や1/8秒といった低速シャッターが使用できない。そのため、感度の上限値を常用感度の上限まで上げておくと、暗い場所でも撮影しやすい↑ISO感度設定は、基本的にオート設定でOKなのだが、動画撮影時は1/15秒や1/8秒といった低速シャッターが使用できない。そのため、感度の上限値を常用感度の上限まで上げておくと、暗い場所でも撮影しやすい

 

プリセットWBを使う

↑ホワイトバランスはオートでなく、プリセットを使用したほうが、画面の色味が急に変わるのを防げる。屋外では「太陽光」を基本にする。屋内では、光源の種類に合わせるか、「白セット」を行って、色味を安定させよう↑ホワイトバランスはオートでなく、プリセットを使用したほうが、画面の色味が急に変わるのを防げる。屋外では「太陽光」を基本にする。屋内では、光源の種類に合わせるか、「白セット」を行って、色味を安定させよう

 

仕上がり設定は「スタンダード」が基本

↑ピクチャースタイルなどの仕上がり設定は、「スタンダード」を基本にする。この場合もオートでは撮影中に色が変化する可能性があるためだ。撮影後に、彩度やコントラストなどの調整が必要だと感じたら、設定を変えよう↑ピクチャースタイルなどの仕上がり設定は、「スタンダード」を基本にする。この場合もオートでは撮影中に色が変化する可能性があるためだ。撮影後に、彩度やコントラストなどの調整が必要だと感じたら、設定を変えよう

 

階調補正を有効にする

↑動画でも白とびしてしまうと撮影後の調整は難しい。そのため、階調補正機能を有効にしておく。HDRをオンにしても近い効果が得られるが、シーンによっては効き過ぎてしまうため基本的には階調補正のみでOKだ↑動画でも白とびしてしまうと撮影後の調整は難しい。そのため、階調補正機能を有効にしておく。HDRをオンにしても近い効果が得られるが、シーンによっては効き過ぎてしまうため基本的には階調補正のみでOKだ

 

輝度差のあるシーンではHDRが有効

↑階調補正でまかないきれないほど輝度差があるシーンは、HDR機能を使う。逆光で背景が白とびするのを避けたい場合などに有効だ。ただし、輝度差の少ないシーンでは、使用すると平面的な写りになるので無効にする↑階調補正でまかないきれないほど輝度差があるシーンは、HDR機能を使う。逆光で背景が白とびするのを避けたい場合などに有効だ。ただし、輝度差の少ないシーンでは、使用すると平面的な写りになるので無効にする

 

AFの連続動作を有効に

↑AF設定は、「コンティニュアスAF」や「サーボAF」を使用することで被写体が動く場合もピントをあわせ続けられる。ただし、風景など被写体が間違いなく静物の場合は、「シングルAF」でピントが動かない状態にする↑AF設定は、「コンティニュアスAF」や「サーボAF」を使用することで被写体が動く場合もピントをあわせ続けられる。ただし、風景など被写体が間違いなく静物の場合は、「シングルAF」でピントが動かない状態にする

 

追尾AF機能の使用も有効

↑顔認識機能などを使って被写体を追尾する、追尾AF機能は、有効にしておくと動いている被写体を撮りやすくなる。特に人物撮影時は顔を追尾してくれるので、ピンボケしにくい↑顔認識機能などを使って被写体を追尾する、追尾AF機能は、有効にしておくと動いている被写体を撮りやすくなる。特に人物撮影時は顔を追尾してくれるので、ピンボケしにくい

 

デジタルフィルターで動画に変化を

↑デジタルフィルターを搭載した一眼では、動画にもフィルターを適用できる機種が多く、絵柄に変化を付けたい場合に有効だ。光学フィルターも使えるが、デジタルフィルターのほうがユニークな動画加工を楽しめる↑デジタルフィルターを搭載した一眼では、動画にもフィルターを適用できる機種が多く、絵柄に変化を付けたい場合に有効だ。光学フィルターも使えるが、デジタルフィルターのほうがユニークな動画加工を楽しめる

 

【動画撮影時の露出】ISO感度オートにすれば自動露出で撮りやすい

動画撮影では、1秒間に60コマや30コマの撮影を行うため、シャッター速度が実質的に1/30秒や1/60秒に固定されてしまう。シャッター速度を上げることはできるが、被写体の動きがパラパラと見えて不自然な写りになるのだ。そこでISO感度設定をオートにして感度で露出を調整するのがオススメ。背景をぼかしたい場合などはマニュアル露出を使用する。

 

プログラムオートが基本

↑動画撮影時は、プログラムとマニュアル露出のみとなる機種が多く、シャッター速度も実質的に固定されるため、自動露出で撮る場合は、プログラムオートが基本。背景をぼかす場合や明るさを一定に保ちたい場合などを除き、基本的には自動露出でOKだ↑動画撮影時は、プログラムとマニュアル露出のみとなる機種が多く、シャッター速度も実質的に固定されるため、自動露出で撮る場合は、プログラムオートが基本。背景をぼかす場合や明るさを一定に保ちたい場合などを除き、基本的には自動露出でOKだ

 

背景をぼかす場合はマニュアル露出

↑絞りを開けて背景を大きくぼかしたい場合は、マニュアル露出で絞りを開ける。1/30秒や1/60秒で露出がオーバーになる場合は、NDフィルターを装着して調整。マニュアル露出は画面の明るさを安定させたいときも有効だ。ただしそうした場合は、ISO感度も固定する↑絞りを開けて背景を大きくぼかしたい場合は、マニュアル露出で絞りを開ける。1/30秒や1/60秒で露出がオーバーになる場合は、NDフィルターを装着して調整。マニュアル露出は画面の明るさを安定させたいときも有効だ。ただしそうした場合は、ISO感度も固定する

 

ISO感度はオートがオススメ

↑写真撮影では、画像の荒れを避けるため低感度にするケースも多いが、動画の場合は、感度を多少上げてもノイズが目立ちにくい。そこでISO感度をオートにして、低速シャッターの不足分を補うのがオススメだ↑写真撮影では、画像の荒れを避けるため低感度にするケースも多いが、動画の場合は、感度を多少上げてもノイズが目立ちにくい。そこでISO感度をオートにして、低速シャッターの不足分を補うのがオススメだ

 

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