「煙のない世界遺産・白川郷に」―。大野郡白川村は、4月1日から荻町の合掌造り集落で、観光客らに屋外喫煙を禁止する。集落には火を使わない加熱式たばこの専用喫煙所3カ所を整備した。白川郷の美観を守るとともに、昨年11月に集落対岸で発生した小屋火災の教訓を生かし、防火の徹底を図る。

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が4月1日に全面施行されるのに合わせた、村と集落住民、たばこメーカーのフィリップモリスジャパン(東京)による共同事業。同社は社会貢献として資金を援助する。

 これまで集落では歩きたばこの禁止を求める一方、スタンド灰皿を約30基置いて喫煙を認めてきた。しかし外国人観光客が合掌家屋の軒下でたばこを吸い、ポイ捨てをするケースがしばしばあったという。また、喫煙者の住民には生活の場が禁煙になることに抵抗感もあった。それでも昨年の火災により防火意識が高まり、屋外禁煙に踏み込んだ。条例化などはしておらず、規制に強制力はない。

 村は1日に向けて順次、集落のスタンド灰皿を撤去し、各所に設置した看板「No Walk Smoking(歩きたばこ禁止)」を「No Smoking(禁煙)」に取り替える。集落の出入り口2カ所には通常の喫煙所も設けた。

 「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」の和田正人会長(59)は「今回の取り組みを、集落内の完全禁煙に向けた第一歩にしたい」と話す。