昆虫ナナフシモドキの希少な雄が、生きた状態で岐阜市大宮町の名和昆虫博物館に展示されている。主に雌のみで繁殖できるため、雄が出現するのは極めてまれという。先月末に名古屋市中村区の公園で同所の保育園児(5)が両親と採集し、今月中旬に同館に寄贈した。名和哲夫館長(65)は「私も生きた状態で見るのは初めてで感動した」と話す。雌と一緒に飼育し、交尾による両性生殖を目指す。

 ナナフシモドキは、細長い体が木の枝そっくりに見える擬態が特徴。都市部でも自然環境が整っていれば見られる。ただ、雌だけの「単為生殖」で繁殖できるため雄は少なく、これまでに国内で確認されたのは十数例程度とも言われている。

 園児は昆虫好きでナナフシモドキを見てみたいと、幼虫5匹を一日がかりで採集した。数回の脱皮を繰り返して成虫になった今月中旬、1匹に黒褐色の体の色や側面にある白い線など雄の特徴が現れた。父親(41)が同館に連絡し、名和館長が確認したところ雄と分かった。「貴重な雄なので多くの人に見てもらいたい」という一家の意向で寄贈された。体長は6・5センチほどで、一緒に飼育される雌(体長約10センチ)よりも一回り小さい。

 今回確認された雄は、単為生殖の雌が突然変異したものなのか、両性生殖で生まれたのか定かではない。名和館長は「交尾した場合、受精卵での雄の出現率を調べることができる」と期待している。