農業資材や農薬、肥料などの販売を手掛ける山正(岐阜市市橋、堅田充宏社長)は、小さな空きスペースに低コストで設置できる水耕栽培キット「やさいプラントmini」を開発し、7月から販売に乗り出す。同社が一般消費者をターゲットにした初めての商品で、自宅やオフィスの一角を使った栽培を想定する。最短3メートルから導入可能で、価格も10万円から始められる。キットの設置から栽培指導まで継続的にサポートすることで、農業経験の少ない新たな顧客層の開拓を目指す。

 同キットは、発泡スチロールの槽に水と養分を入れ、野菜を栽培する。養分の入った水は自動で循環し、近くに水道がなくても設置できる。最も短いキットは長さ3メートル、幅50センチ。希望に応じて長さを1・5メートルずつ増やすことができる。農家が栽培品種を増やしたい場合でも、ビニールハウスの空きスペースがあれば簡単に設置できる。

 水耕栽培は植物に直接栄養を与えるため、土耕栽培よりも手間が少ない。一方、採算性を高めるには大規模な設備が必要なため、初期投資が導入のハードルとなっていた。

 同社は、初期投資を少なくして水耕栽培が始めたいという顧客の声を受け、昨年11月に大垣西濃信用金庫(大垣市)の相談窓口「だいしんビジネスてらす」に相談。既存のトマト用水耕栽培キットを基に、発泡スチロールの底を浅くして葉物野菜を栽培できるよう改良を加えた。

 一般消費者のほか、食育で野菜を栽培する学校や農業に取り組む障害者就労支援施設への販売も見込む。社員が設置から栽培のアドバイスまで手掛け、生育への相談にも対応する。

 堅田社長は「農業経験の少ない人や学校、福祉施設など農家以外にも販路を広げたい」と話している。