去りゆくiPod shuffleへ贈る、最後のレビュー(2017年版)

去りゆくiPod shuffleへ贈る、最後のレビュー(2017年版)

Image: Harrison Weber/Gizmodo US


数年放置してたiPod shuffle、今聴いて何を感じるのか。

2017年7月27日、日本では28日に差しかかった頃、Apple(アップル)のWebサイトからiPod nanoとiPod shuffleのページが削除されているのが発見されました。ふたつの商品は、ひっそりと販売終了していたんです。

2005年に発売された2商品ですが、特にiPod shuffleは「アルバムとか関係なく、全部シャッフルして聴く」という新しい視聴スタイルを前面に打ち出し、音楽の未来がやってきたことを感じさせてくれました。米GizmodoのHarrison Weber記者は切なさのあまり、引き出しに埋もれていた初代iPod shuffleを発掘し、実際動かせるのかテストしてレビューしています。

iPod shuffleへ贈る、本当に最後のレビューをご覧ください。

***

AppleがiPod shuffle(以下shuffle)の販売を終了しました。僕自身、昨日までその存在を忘れていたガジェットです。でも僕は今、過去10年それを思い出すことすらなかったにもかかわらず、何とも言えない寂しさでいっぱいになっています。まるでAppleが、僕の心をシャッフルしているようです。

2006年の春遅く、僕は14歳でした。僕のガールフレンドは、僕らの2周年を祝うべく選んだレストランで、テーブルの向こうの僕に小さな箱を差し出しました。スポーティなライムグリーンの箱を開くと、そこには512MBのshuffleが入っていました。初代shuffleはガムのパック半分くらいのサイズしかなく、つややかで真っ白でした。それは僕が初めて手に入れたiPodであり、その次は2009年、テクノロジーブログを書いてるのにフィーチャーフォンを使っていたのが恥ずかしくて買ったiPhoneでした。

そのshuffleは今見ると、遠い過去から来た遺物のようです。USB 2.0のUSBメモリとヘッドフォンジャックという、Appleが時代遅れにしたふたつのテクノロジーが合体したものに、黄ばんだストラップが付いているんです。カチカチ言う6つの物理ボタン(Appleは後にこれもなくしました)に、再生モード切替/電源のコンボスイッチもあります。このスイッチで、shuffleに収まった120曲がドライブ用厳選サウンドトラックに早変わりしたものでした。

あの時代、shuffleはほぼ完ぺきな存在でした。愛らしくてスマートすぎなくて、比較的手頃な100ドル(日本価格1万980円)でした。僕はこのshuffleが大好きでやたら大事にしていたので、不格好なプラスチックの透明ケースか、ネットのDIYガイドを見て作ったミントの缶に入れてました。それはしみひとつありませんでしたが、それから4年後、ジョギング中に転んだせいで消えない傷が付いてしまいました。


Image: Harrison Weber/Gizmodo US


Appleがデジタルの店頭から音もなくshuffleを消した日、僕は僕の古いshuffleを引き出しから取り出して、電源を入れてみました。僕のshuffleは、手に入れて数カ月後には型落ちになっていました。Appleはその年の秋にshuffleのデザインを変更し、その後も数回、2010年まではアップデートし続けました。でもそれから7年間、テクノロジーの世界では永遠とも言える間、ほぼ何もないままだったのです。

ちょっと充電してみてもshuffleが動かないので、それを一晩充電してみることにしました。

そして今朝目覚めたとき、そこには完全に充電されたshuffleと、悪いニュースがありました。僕のshuffleが、再生もシャッフルもしないのです。緑とオレンジの光が寂しく点滅して、何かを表そうとしていました。

そして僕はshuffleを使わなくなりつつあった頃、それをUSBメモリとして使っていたことを思い出しました。さらに、何かをUPSストアでプリントアウトするために中身を消去していたことも。だから僕は古い、USBポートのあるラップトップを引っ張り出して、その中のiTunesにshuffleをつなぎ、ガムの形のshuffleのアイコンをクリックして修復してみました。

「Welcome to Your New iPod.」メッセージがスクリーンに踊り、そこにはiPod touchとイヤフォン、iPod nano(こちらも、安らかに眠れ)の画像が表示されています。僕はそのshuffleを「Harrisonの最後のiPod(Harrison’s Last iPod)」と名付けました。

次は中に入れる曲が必要です。いくつかのラップトップを探した結果、もはや自分の名前の元には何の曲も残っていないことに気づきました。そこで僕は古いiTunesアカウントにログインして、iTunesクラウドに保存された古いアルバムを探してみました。

するとそこには、僕がかつて10ドル(約1,100円)払って手に入れたレコードたちが、多くはないものの残っていました。ベン・クウェラーの『Sha Sha』。ダッシュボード・コンフェッショナルのEP『So Impossible』。シガー・ロスに、リロ・カイリー。ヒラリー・ダフ。Frou Frou。僕が買ったはずのないU2のアルバムも入ってました。僕が「オートフィル」をクリックすると、44曲、3時間49分の音楽がshuffleへと戻ってきましたが、それでも容量は264.7MB残っていました。さあ、ジョギングの時間です。

僕はshuffleをラップトップから取り外し、ストラップを取り付け、電源スイッチをスライドしてシャッフルモードにし、有線のイヤフォンを装着、再生ボタンを押しました。電話も持たず、プッシュ通知もなく、ツイートもせず、ジョギングの距離やスピードを測ることもなく、ただシンプルな非日常を味わう中、USBスティックが t.A.T.u.の『All The Things She Said 』に合わせて胸を叩きます。

僕は近所の公園をジョギングし、電話からワイヤレスイヤフォンで音楽を聞く人たちを追い越していきました。iPhoneは実質的に、現存する唯一のiPodとなったのです。明るい日差しの下では、shuffleのライトは弱すぎて、曲をスキップしたのかどうかとか、バッテリーがどれくらい残っているかとかはわからず、僕にはただ音楽を聴くことしかできませんでした。

僕のshuffleは、もうネットにつながることはないでしょう。それはSpotifyのようなサービスから音楽を借りて聞いている何百万という音楽ファンから見たら、まったくの無用の長物であるはずです。そしてもちろん、僕にとっても、誰にとっても、世間から隔絶されたい人でない限りはその通りに違いありません。shuffleだけでなく、iPodそのものがもはや意味をなさないんです。

だから今、shuffleにさよならを言います。でも今回は、曲を入れたまましまっておきます。そうすればいつか、今度は多分iTunesが死ぬときに、またUSBドングルやアダプタを使って充電して、そこにある音楽を聴くことができるでしょうから。


まとめ

・shuffleは死んでしまいました!
・ストレージの選択肢は512MBか1GB、または120曲か240曲かでした。
・(TOT)
・『All The Things She Said』が頭から離れません。
・iPod shuffleは、良いガジェットでした。


Harrison Weber - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)

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