「世界最小のチップ型衛星」が衛星軌道上に送られる

「世界最小のチップ型衛星」が衛星軌道上に送られる

Image: Zac Manchester


大きな夢に近づく、一歩。

理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士とロシアの実業家ユーリ・ミルナー氏率いる地球外知的生命体探査計画「Breakthrough Initiatives」。2016年には、太陽系からもっとも近い位置にある恒星のケンタウルス座アルファ星に超高速・世界最小の衛星を送ることを目標としたプロジェクトを発表しています。

「Breakthrough Starshot」と名づけられたこのプロジェクトは、2017年7月23日、6基のテスト機を衛星軌道に送ることに成功し、次世代までにケンタウルス座アルファ星に到達するという大目標に向けて一歩を踏み出しました。

今回打ち上げられた、世界最小のチップ型衛星「Sprites」は、わずか3.5センチ四方、重さはたったの4g。

「初めから衛星のサイズ制限を打破することを目指していた」と米Gizmodoに語ったのは、10年にわたってSpritesの設計を率いてきた航空宇宙エンジニアのザック・マンチェスターさん。「衛星として機能しながらもどれだけ小型化できるかが問題だった。課題はどうやって十分なパワーを得て、ごく少量のパワーで地球と通信するのかという点でした」とのこと。


Video: Breakthrough Starshot/YouTube


Breakthrough Starshotの今後の目標は、Sprites同様の小型衛星「StarChips」で、光速の5分の1のスピード、すなわち秒速3万7000マイル(約6万km)の移動速度を実現すること。「この速度なら月から地球まで7秒足らずで飛行できる」とSky and Telescopeは報じています。秒速3万7000マイルは、これまでのどんなサイズの衛星にも出せなかった速度です。

現在、もっとも遠くまで行った探査機は、1977年に打ち上げられたNASAのボイジャー1号。数年前に、太陽系外の恒星間に広がる星間空間に到達したばかりです。ボイジャー1号の時速は6万1333km。つまり、Breakthrough Starshotプロジェクトは極小の衛星で同機並みの速度を目指しているわけです。

現在、Spritesは地球低軌道上にいます。打ち上げには、「極軌道打ち上げロケット」(PSLV)と呼ばれるインドの使い捨て打ち上げロケットが使われました。

「Breakthrough Starshotが『アルファケンタウリに到達する』という目標を達するまでに必要な道のりは長大ですが、私たちはその第一歩を踏み出すのです」とマンチェスターさんは言います。

Breakthrough Starshotは近いうちに2個目の衛星をリリースする予定です。


Image: Zac Manchester, YouTube
Source: Sciencemag.org, SKY & TELESCOPE, New Scientist, Wikipedia

Rae Paoletta - Gizmodo US[原文]
(たもり)

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