Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

敗因:限られたスペースに詰め込みすぎ。

室内で育てる野菜やハーブの栽培キット、日本でも結構話題になった時期がありましたよね。自宅にいる時間が長いと、こういう新しいこともやってみようかなーと考えていた人もいるのでは?

米GizmodoライターのSam Rutherfordが最新ガジェットを使って屋内菜園を作ってみた体験をレポートしてくれているのですが…アパートメント暮らしならではの壁もあったようですよ。

「我が家を屋内庭園にしよう!」と思いついたのは、約1年前のこと。最初は、グッドアイデアだと思ったんです。緑が増えれば冬のグレーな日だって活気で満ちるんだろうなと夢見ましたし、いま急成長中のプラントテックがどんなものかわかるかなって。でもしばらくすると、ギブアップまでのカウントダウンが始まっていました...。

アパートメント暮らしの私は、55平方メートルの空間をミニジャングルにするにあたって、 Square RootsやAeroFarmsにインスパイアされたこともあったので装飾的な植物よりも実用的なもの(野菜やハーブなど)を選ぼうと決めていました。

それから数ヶ月くらいかけて屋内ガーデニングガジェットを取り扱うClick and Grow、AeroGarden、Veritableといった企業に連絡をとり、さまざまな製品をレビューさせてもらうことに。

最初はキッチンに5台導入。これが後々問題になって、狭い廊下に移動することに。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

まず最初に失敗したなーと思ったのは、オフィスに大きな製品が続々と届いたとき。都会暮らしで車を持っていなかったので、公共交通機関を使って1つずつ移動するはめに。地下鉄は2ドルでしたが、疲れてしまい最終的にはUberでいっきに運ぶことに。さようなら、40ドル。

種植えまでのこと

いざ、家にすべて運び終えたら、次はセットアップです。基本的には、太陽光の代わりとなるライトを取り付けて、卓上プランターに水を入れるのみ。非常に簡単でした。

例外として、Aerogrow’s Farm Plusのような大きめなプランターは組み立て作業が必要でした。同封されていた説明書と六角棒スパナを使って1時間ほど。IKEAの家具に比べたらなんてことないかもしれません。

必要なものはすべてキットに含まれている Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

セットアップが完了したら、育てたい野菜やハーブを選びます。バジル、タイム、ローズマリー、ペッパー、チェリートマトは卓上プランターにピッタリ。レタスなど大きな葉物は、大きめなシステムへ。

思ったのは、プランターごとにシードポッドが用意されているので、互換性がないのが難点だということ。コーヒーを1杯ずつ作れるKカップやネスプレッソのカプセルのように、本体によってメーカーに縛られることになります。

Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

自前でポッドを作ることも不可能じゃないと思います。が、そのために必要な時間と労力を考えるとそもそも屋内プランターでやる意味はあるのか問いたくなるかもしれません。キットに含まれる3つのポッドは通常、1つあたり4〜6ドル。種、土、肥料を揃えても、卓上プランターの方がコストは高くなります。

成長してきた!

何はともあれ、5種類のプランターはほとんどが成功して、みるみるうちにハーブや野菜の恵みへと成長していきました!

Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

一度セットアップが完了してからは、ほぼ何もする必要なくバジル、タイム、パセリ、レタス、トマトができました。これは、一連のプロセスのなかで最も満足感を得られた部分。どれも伸び伸び育ったというよりは、ネギ属のチャイブやタイバジルに関してはかなり成長が遅く、あまり元気がなさそうだったんですけどね。

プランターは基本的に自己管理してくれていて、たまに水(場合によっては液体肥料)の補充を必要とするだけでした。

ギブアップまでのカウントダウン

プランターはどれも、ほぼ全自動型。特に、VeritableやClick and Grow 3は電源をオン/オフできるスイッチすらありません。そのため、システムをオフにしたかったらコンセントを抜くしかないんです。光のスケジュールを調整するスクリーンもないので、そういうときもやはり電源を切ってやり直しています。

電源を入れ直すと、実際の時間とは関係なく、新しい1日の始まりと同じ状態になります。たとえば午後、電源を入れ直すと夜中じゅうプランターからの白い光が部屋を照らしています。

Replantableのプランターは遮光ガラスという意味で、目に一番優しかった。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

最初のうちはちょっと煩わしく感じるくらいでしたが、プランターは1日16〜18時間点灯していて、Veritableの場合はさらにブルーのライトが点いていたり、大きめなAeroGrow Farm Plusに関しては数時間ごとに、ラスベガスのベラジオホテルの噴水ショーみたいな音がしたり。(大袈裟じゃなく、アパートメントの廊下からも聞こえるくらいで)さすがに概日リズムが乱れるなと思うように。

1日目。GoProの広角レンズでタイムラプス撮影しようと思ったのですが、細長い廊下が映りきらず断念。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US 5日目。内部に漂う湿気が植物の成長にどれだけ役立っているかは、ここからだとほぼわかりません。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US 10日目。目の前を通ると、ほんのりハーブの香りがするように。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US 15日目。すべて順調。一番右の暗いボックスもプランターで、遮光ガラスになっています。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US 20日目。順風満帆。たまに水や液体肥料を上げながら、成長を待つのみ。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

結局、4ヶ月くらいして婚約者からついに「もうこれやめない?」の一言が出ました。何度かバジルソース、万能ソースのチミチュリ、フレッシュで美味しいサラダもできて、楽しかったのに。

振り返ってみると

小さな屋内庭園を作るのって、猫を愛でるのによく似ています。毎日話しかけるのはもちろん、レタスはビッグL、バジルはベニーとかって名前までつけたり、水やりも光を当てるのも全自動なのについ植物のことを考えちゃったり。

それと同時に、多くのことを学びました。テックプランターについてもそうですが、たくさんの植物やライトを小さなスペースに詰め込もうとするのはグッドアイデアじゃないってことも。

このグリーンの愛おしさよ。 Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

いくつか室内プランター体験者としてできるアドバイスをさせてください。

まず、ちょっとした室内でバジルを育ててみたいという場合には、AeroGardenのように画面でライトサイクルを調整できるものを選ぶと良いかもしれません。ちょっと値は張るかもしれませんがReplantableのように、光を遮れるプランターもあります。もっと本腰を入れて室内植物を育てたい人は、日常生活に支障を来さないよう園芸専用の部屋やスペースを確保することも検討を。

Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

それから、収穫量について。小さなプランターであっても、最大3つのシードポッドをセットできます。さらに複数のデバイスと組み合わせると結構な収穫量が期待できるのではないかと思うかもしれません。私の体験からいうと、そうじゃなかったです。どのプランターでも、食卓に並べるのに十分な量を収穫するまでには数週間、1か月かかることもあります。

最初は、都会でミニ農場を!と意気込んでいましたが、私の小さなアパートメントに複数のプランターを並べても、スーパーで買わなくても良いほど十分な量の野菜やハーブを揃えるのは難しかったです。もちろん、生活スペースも惜しみなくプランターに捧げたい!なんて場合は別ですが。

それから、5日以上のバケーションは計画できません。水を足さないといけないのでね。

最後に、電力使用量が具体的にどれくらいかはわかりませんが、それを抜きにしてもプランターは結構高価な投資です。Aerogardenの最も安価なシステムは約50ドル〜ですが、容量がそれほど大きくないものは100ドルから300ドルほど。大規模なシステムになると750ドル〜1,000ドルします。これに加えて、シードポットは1個4ドル〜。

Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

おそらく室内で緑を増やしたいだけなら、土と種と普通のプランターを用意して、ときどき水をあげるので十分です。自動プランターに任せなくても、難しいことじゃありません。もし卓上プランター会社が倒産したとしても、育て続けることができますからね。

もう何年も前ですが、私(訳者)も頂き物の水栽培プランターを実家で試していたことがありました。リビングの一角に置いていたのですが、夜中に水を飲みにいくとたしかに光や音に「おぉ...」と驚いたこともあったような。スペースの限られたアパートメントだと、もっと気にせずにいられなくなるのかもしれません。

でも、ライトと水やりだけで日に日に植物が成長する姿を観察できるのは楽しいし、サラダ菜を1枚だけ収穫してサンドイッチに挟んでちょっとずつ食材として使うのも気分が上がったものです。収穫が終わると、プランターを掃除して、次の種を注文して...屋外の土で育てるよりもサイクルが早いので、手間も出費もそれなりにかかってしまうのは否めないんですけどねぇ。