Image: John McAfee

「NYの死亡率高すぎ。新型コロナにすると病院が国から約416万円もらえることと関係あるの?」

アンチウィルスソフトのジョン・マカフィー氏がこんな爆弾ツイートをし、Teslaのイーロン・マスクCEOも加勢してちょっとした騒ぎになっています!

死者数が極端に少ない東京を引き合いに出してマカフィー氏はこうも持論を展開していますよ。

NYCは新型コロナで1万1000人死んだ。東京は人口世界一の過密都市なのに93人。

NYCはロックダウンした。東京は一度もしていない。

ウイルス拡散時期は同じ。なのにNYCが東京の250倍って、なんかおかしくね?

米疾病予防管理センター(CDC)は検査不足に対処するためCOVID-19申告基準を4月に見直し、症状や死亡状況から感染が疑われる場合も死亡診断書に記載できるようガイドラインを改めました。それで猫も杓子もコロナと診断して保険金を水増し請求してるんじゃあるまいか!そうとしか説明できないほど死亡者が多い!という噂の受け売りですけど、26日にもこうツイートしていますよ。

米国はCOVID-19死亡率が世界平均の7倍。NYCなんて世界10大都市の200倍だ。

これって感染者と診断すれば国から病院に1人頭3万9000ドルもらえることと何か関係あるの? な〜んて、まさかね。

噂の出元

噂の出元は、ミネソタ州選出共和党上院議員Scott Jensen医師の4月9日付けのFOXニュースでの発言です。

インフルエンザ流行時に肺炎で亡くなると、死因は「呼吸器疾患」、「肺炎」と記載する。「インフルエンザ」と書くよう奨励されたことはないが、COVID-19ではそれが推奨されているのだ。

国が病院に払うメディケア(障がい者・高齢者向けの政府医療保険)の補償額は、(通常の肺炎は5,000ドル[約54万円]のところ)新型コロナ認定で1万3000ドル(約139万円)、人工呼吸器装着で3万9000ドル(約416万円)に跳ね上がる。

バス追突事故でけが人が急患で運ばれて15〜20分で亡くなっても血液検査が陽性なら、もうそれだけでCOVID-19と死因に書き込めるのだ。考えてみればおかしな話なのである。

NY市はまもなく推定死亡数も死亡者の数に上乗せしました。するとJensen医師は自身のSNSに続編の動画を公開し、次のように補足してもいます。

コロナ緊急予算は州別の感染者・死亡者数に応じた配分になっている。NYはいきなり推定感染者の数まで加え、7,000人から1万500人に死者数を修正した。そのぶん補償金も必要ということだが、ミネソタもカリフォルニアもシアトルもそんなことはしていない。カウントするのは検査で陽性の数だけだ。土台が違うのだから比較にならない。うちはカウント漏れが心配だが、ことNYに関してはカウントし過ぎかと思う。

この金額については病院ごとに違いますが、カイザー家族財団がまとめた平均相場には「類似の症例は1万3297ドル(142万円)、人工呼吸器装着で4万218ドル(約431万円)。COVID-19認定でそれぞれ20%上乗せされる」とあるので、Jensen医師が言った金額よりさらに2割高く、人工呼吸器装着で4万8261ドル(約517万円)支払われることがわかります。

デマ検証サイト「Ask FactCheck」は「不正請求の事実は確認できなかったが、請求額が跳ね上がることは事実」と書いているので、マカフィー氏の推論もあながち外れではないようです。4万9000ドル、4万9000ドルと何度もツイートしていますが、よく見ると「病院が不正に点数稼ぎしている」という断定調はありませんからね…。

検証サイトに「半分本当」と認められたマカフィー氏は上機嫌で、「COVID-19も所詮は季節病。風邪に毛の生えたみたいなものだ。5月第3週には北半球からほぼ消えてなくなる。自然に終息して世界中の国々が勝利宣言さ。まあ見てなって」とツイートしてますよ。元気で何よりですね。

マカフィー氏の東京のツイートだけ読んで「東京が怪しい」という意味に早とちりした方もいるかもですが、話の流れから見て、氏が問題視しているのはNY側のことかと思われます。なお、日本の死亡者が極端に少ないのは、もしかしたらコロナ重篤化要因の肥満、 糖尿病、心臓病といった基礎疾患が少ないことと関係あるのかもしれませんね。

Image: OECD 肥満の多い国ランキング

Sources: USA Today, John McAfee, Elon Musk