Photo: John Biggs/Gizmodo

ジムに通えない今、自宅用エクササイズマシンとレッスンのサブスクが組み合わさったサービスが急成長を遂げています。エアロバイクのPelotonなんかが有名ですよね。米GizmodoのBiggs記者が試してみたHydrowは、ボートを漕ぐような動作を行なうローイングマシンに画面がついたものです。Pelotonと比べながらのレビューをどうぞ。

画面の中では、マッチョでご機嫌な青年がチャールズ川をウォータースライダーみたいに下っていく。彼が上機嫌にジェームズ・ボンドや登山経験、川のすばらしさを語っている間、ユーザーは頑張って漕ぎ続けてスコアボードでの順位を上げようとする。そうするうちに、活を入れるトークやHIIT(高強度インターバルトレーニング)運動、競争もありの20分間のワークアウトは完了。Hydrowでのローイングはまさにそんな感じで、僕はすっかりハマってしまいました。

Hydrowは、簡単に言ってしまえばフィットネスバイクPelotonのローイング版。シュっとした美しいデザインのマシンには22インチのタッチスクリーンと固定ストラップ付きの頑丈なフットペダルが備わっています。お値段1,995ドル(約20万8000円)のマシンはタイミング、レジスタンスにいたるまですべて自動化されており、やる気をキープしてもっと漕ぎたいと思わせるサービスの料金は年額456ドル(約4万8000円)もしくは月額38ドル(約4,000円)となっています。

UIはAndroidのデザインのリスキン版で、家族間でも使えるよう複数のプロフィールを用意。画面で見られる最新&アーカイブのワークアウトはほとんどが20分程度ですが、15分間や30分間のワークアウト動画もあります。予定を立ててライブ配信のワークアウトに参加することも可能。ホストが誕生日やスコアボードの順位に触れるので、インタラクティブな感じがします。

Hydrow

Photo: John Biggs/Gizmodo

これは何?: 他のユーザーたちと競い合いながら、体を鍛えるハイテクなローイングマシン。

価格: 1,995ドル (約20万8000円)。

好きなところ: 楽しくて中毒性のある低負荷なワークアウトを提供してくれる 。

好きじゃないところ: 機器一式の価格がすでに高いのに、500ドルのサブスクは受け入れがたい。

ローイングマシン+オンラインサービス=Hydrow

つまりHydrow一式はハイ〜ミドルレンジのローイングマシンがオンラインサービスと合体したもの。マシン自体は、宇宙へと連れていってくれそうなヴェネツィアンゴンドラのような見た目です。流線形の船首の先には明るくて大きなスクリーンがあり、人間工学的に基づくハンドルと収納式フライホイールにつながるストラップがついています。大きくて頑丈なフットペダル2つのおかげで体をマシンに固定しやすいですが、脚が長い人(お腹が突き出ている人も)は座ったままだとハンドルを握りづらいかもしれません。

運動メニューは結構な有酸素運動

Hydrowを使うにはアカウントを作成してから、ボート漕ぎのメニューを選びます。20分ほどのメニューが多く、目標とする1分あたりのストローク数は24〜30の間。つまり結構な有酸素運動になるということで、僕はまんまと息切れしました。漕ぐメニューの中で設定したレジスタンスによっては脚と腕のよいワークアウトにもなります。

Hydrowの魅力はワークアウト動画

Hydrowには各種エクササイズを教えてくれるインストラクターが11人います。エクササイズの多くが高速なローイングとクールダウンとが混ざったHIITスタイルのワークアウトです。Hydrowはボストンのチャールズ川やマイアミの運河など様々なロケーションでインストラクターたちを撮影していて、ネス湖で撮影されたシリーズもありましたが、あの怪獣はいなかったようで…。ワークアウトは気取らず穏やかで、Peltonのクラスの派手さとやりすぎ感はありません。基本的には水上にいる人物の映像ですし、複数のアングルと参考になるトークはやる気と興味を抱き続けられるようなものでした。

月額料金が1ドル多いPelotonと同じく、Hydrowの魅力はワークアウト動画にあります。一般的なローイングマシンは負荷のレベルが少なくHydrowほどのデザイン性には欠けますが、ネットで300ドル(約3万2000円)ほどで購入できます。これは実に優美なローイングマシンで、洗練されていてフライホイールが収納されている点は、ホイールが露出したモデルや水の入ったタンクを用いる水圧式のモデルよりもかなり安全性が高くなっています。

優美なデザインだけど一人暮らしには向かない

収納式フライホイールと驚くほど滑らかなスライドシートのおかげで、完全と言えるくらいに静かです。すべてが内蔵されているので、極端にいえば建築機械のような無骨なマシンよりも随分とスタイリッシュでインテリアとうまく馴染むでしょう。ただ、ワンルームに住んでるなら、購入は見送った方がよさそう。

Photo: John Biggs/Gizmodo

Photo: John Biggs/Gizmodo

重量145ポンド(約65.7kg)で長さ7フィート(約218.4cm)と非常に大きなマシンなのに、Pelotonのような配送&セットアップのサービスはありません。Hydrowが玄関に届いたら、自力で家の中に運びセットアップをするのみ。一人暮らしなら友人を呼んだ方が無難です。後ろを持ち上げて壁に立てかけての収納は可能ですが、画像から分かるようにHydrowはかなり場所を取ります。

妻も息子も気に入って使っている様子

上にも書いたようにHydrowの真の強みは、持っているコンテンツにあります。アスリートたちは週に数本の動画を録画しているので、試したいと思える楽しそうなものが常に何かしらあるのです。ローイング自体は孤独なスポーツで、動画には指示を叫んだり激しいテクノ音楽をかけたりはなく、オールを水面に打つ一定の音とインストラクターのおしゃべりがあるだけ。Pelotonなどのようなジムのマシンに画面がついたワークアウトガジェットと同様にヨガ、ピラティスなどローイング以外のメニューや、Hydrowを降りて行なう強度トレーニングもあります。

似たようなフィットネスサービスを使っている人なら、画面のスコアボードはお馴染みでしょう。漕いでいる間、競っている相手とその年齢層、ロケーションなどの最新情報が表示されます。僕は数百人のプレイヤーとのレースで一度、トップ20に食い込んだだけでしたが、彼らはどうやって驚異的な距離とスプリットタイムを出しているのでしょうか…。

家族もHydrowを気に入って、14歳の子は定期的に飛び乗ってるし、妻はほぼ毎日使っています。ケガをして走れなくなったため体がたるんだ身としては、関節にあまり負担をかけずにいい運動ができるのはよい点だなと思いました。

残念な点は値段

さて残念な点はというと、値段の高さです。年額のサブスク込みで2500ドル(約2万6000円)します。Pelotonのような類似デバイスとさほど変わりません。Hydrowはサブスクという手段でユーザーをハードウェアにハマらせ、世界中の異国情緒あふれるロケーションでアスリート11人を撮影する費用を回収しています。金銭的な観点でみると、高価なハードウェアと高額なコンテンツというPelotonのモデルは、投資する側が企業とその製品を1回きりの購入というよりむしろ定期的なキャッシュフローの源として見なすようになるというだけで賢いものです。彼らの利益は、そのままユーザーにとって損失となりますからね。

けれども、結局のところ重要なのはローイングと、体を鍛える過程で強靭な人間がカワウソのように水面を進む様を鑑賞する楽しさです。シダーウッド製のスカルでドナウ川を小旅行とはいきませんが、Hydrowなら次善の策になりそうです。

まとめ

・値段が高い。

・本当に高い。

・でも、漕ぐのは本当に楽しいし、似たような機材(Peloton)よりも関節への負担がかなり少ない。

Source: Hydrow,