アフリカ西部のブルキナファソ。3月上旬、国連が設置した中部の街カヤにある学習スペースを訪れると、大勢の子どもたちが歌や踊りを披露してくれた。

彼らは、過激派組織「イスラム国(IS)」などの武装勢力からの襲撃を逃れ、この地区に避難してきた。約1300人が通い、テントで囲われたスペースで計算や読み書き、音読などをして過ごしていた。

ブルキナファソ中部のカヤに国連が設置した学習スペースで過ごしていた子どもたち=3月6日、石原孝撮影

訪れた日の最高気温は41度。薄茶色の土ぼこりが舞う中、すべり台などで楽しそうに遊び回る姿は、どこにでもいそうな子どもたちにも見えた。ただ、運営スタッフの一人は「目の前で家族を殺され、心に傷を負った子どもも少なくない」と話した。

主婦のサワドゴ・カディさん(23)は、昨年末に夫や弟を武装勢力に殺され、家財道具は何も持たずに両親と子どもら12人で20キロ離れた村から徒歩で避難してきた。5歳の長女は笑顔をほとんど見せず、その周りを2歳の長男が駆け回っていた。

カディさんは「子どもたちは父親を殺された後、ずっと悲しい顔をしていた。ここで少しでも楽しんでいる姿を見られるのはありがたい」と語った。

ブルキナファソ中部のカヤで、武装勢力の襲撃から避難してきたサワドゴ・カディさんと子どもたち=3月6日、石原孝撮影

この地域の周辺では、数年前から襲撃事案が続き、閉鎖される学校が相次いだ。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によって、予防対策も求められるようになり、国連などの支援活動は以前より制限を受けている。

ただ、新型コロナウイルスだけが避難民の子どもたちの脅威ではない。食事を満足に取れず、マラリアや下痢症状、栄養失調、呼吸器疾患を患い、命を落とす場合もある。