「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」#47

Hi everyone! 今週取り上げるのは、哲学者、サルトルの言葉です。There is only one day left...(残されたのはたった1日だけだ)と始まる一言で、彼が伝えたかったメッセージとは? 「名言のピックアップ単語」では、基本動詞のleaveを取り上げます。Don’t leave this page without finishing the article.(読み終えずにこのページを去らないで)では張り切って見ていきましょう!(安河内哲也)

■今週の名言

There is only one day left, always starting over: it is given to us at dawn and taken away from us at dusk.

(残っているのはあと1日だけ、常にやり直しだ。一日は夜明けに与えられ、夕暮れに奪い去られるのだ)

ジャン=ポール・サルトル

Jean-Paul Sartre(1905-1980)フランス、パリ出身の作家、哲学者。代表作に小説「嘔吐」、哲学書「存在と無」など。実存主義(existentialism)哲学の旗手として活躍。生涯の伴侶はシモーヌ・ド・ボーヴォワール。1964年にノーベル文学賞に選出されるが辞退している。

■名言を味わう

本連載に登場するのは2度目となるサルトル。辛辣だった前回に比べると、今回はずいぶんとstraightforward(単純明快な)言葉です。

直訳すると「残っているのはたった1日しかない、常にやり直しだ。それは夜明けに与えられ、夕暮れに取り去られていく」といった意味になります。

ちなみにこの名言、直前にはDo you think that I count the days?(私が日を数えたりすると思うか?)という一言があるそう。

サルトルが言いたかったのは、「人間に残されているのはいつだって、夜明けで始まり夕暮れで終わる1日だけ。『今日が最後の1日だ』、そういう気持ちで生きよう!」といったことなのでしょう。

■名言の単語ピックアップ

leave

去る、出発する、〜を任せる、残す

go、come、have、get、そして今回のleaveのような基本動詞は、中学で最初に習うため簡単というイメージがあるかもしれません。でも実は一筋縄ではいかなくて、マスターするのが難しかったりします。

というのも、よく使うだけでなく、意味や用途も本当は細かくあるため、細部まで網羅して、しっかり使いこなすのは並大抵ではないからです。

全部を紹介するのは無理なので、ぜひ最初に覚えておきたい、基本的な意味を中心に紹介したいと思います。

と、その前に、動詞の活用はわかりますか? 正解は、leave-left-leftです。規則動詞だと勘違いして、過去形や過去分詞に(×)leavedを使っている人がたまにいますので注意してくださいね。

基本の意味としては、「〜を残す」「〜を置いておく、放置しておく」「去る」といったものがあります。「持っていかないで、そのままの状態にして去る」といったイメージです。

例文を見ていきましょう。

Leave some sandwiches for me.

(サンドイッチをちょっと私に残しておいてね)

I have to go meet our client now. Could I leave the rest of the assignment for you to finish?

(クライアントに今から会いにいかないと。残りの仕事を終えるのはあなたに任せていいですか?)

Leave me alone. I just need to be on my own for a while.

(放っておいてくれないかな。ちょっと一人になりたいんだ)

それからleaveは過去分詞形のleftという形でもよく使います。

Is someone still left in the office?

(まだ誰かオフィスに残っているの?)

Is there any beer left in the fridge?

(冷蔵庫にビールは残っている?)

*fridgeは、refrigeratorの短縮語。

こんなふうに名詞の後ろにleftを付けて、「残った〇〇(名詞)」といった使い方をよくします。

また関連の単語としては、leftoverもあります。形容詞で「残りの、余りの、食べ残しの」という意味です。名詞として「残り物、食べ残し」という意味もありますが、この場合は通常leftoversと複数形になります。

さらに、自動詞でleaveを使う場合は、「出発する」という意味になります。

When are you going to leave?

(いつ出発するの?)

You better pack tonight. We’re leaving at 6:00 tomorrow morning.

(今夜荷造りしておかないと。明朝6時に出発するから)

また「どこどこに発つ、行く」は、(×)leave toではなくleave forです。

I leave for Los Angeles next week.

(来週ロスに発ちます)

「〇〇から△△に発つ、行く」は、leave 〇〇 for △△となります。

She’s going to leave Osaka for Zurich next year.

(彼女は来年大阪からチューリッヒに発つ)

leave for homeと言えば「家路につく、帰国する」という意味になります。

He’s leaving Japan for home soon.

(彼はすぐ日本を離れ帰国する)

次にleaveを含んだ、頻出フレーズを3つ紹介します。

Leaving so soon?

(もうお帰りですか?)

*帰ろうとする来客などにかける言葉。冒頭にAre youが省略されている。

Take it or leave it.

(受け入れるか否か<のどちらか>だ)
*I’ll give you ten thousand yen for the painting.(その絵に対して1万円あなたに払おう)のように、金額などの条件を提示したあとに使う。オファーは最終で、これ以上交渉の余地はなしという状況での決まり文句。冒頭にYou canを付けて言うことも。

A: I’m going to leave you.(あなたとは別れる)
B: Don’t leave me.(別れないで<置いていかないで>)

*leaveは「人(物)を捨てる」「人(物)と別れる」という意味でもよく使う。映画やTVドラマなどの別れのシーンでの鉄板フレーズ。

紹介した表現は、その場の状況によって意味がかなり変わることがあります。

例えば、Leaving so soon?も一緒に住んでいる家族に言うのであれば「こんなに(朝)早く出発するの?」となります。また知人を車で送迎中に、I’m going to leave you here.のように言えば、「ここで降ろしますね」といったニュアンスになります。

ということで、context(文脈)が重要になるleave。前後で何が言われているかにも注意を払って、意味をくみとるようにしてみてください。

最後に名詞のleaveをチェックしておきましょう。

「許可」という意味もあるのですが、ビジネス英語では「(許可を得た正式な)休暇」という意味で頻出します。

主なものをリストアップしておきます。

paid leave 有給休暇
unpaid leave 無休休暇
sick leave 病欠、病気休暇
maternity leave 産休
infant-care leave / childcare leave 育休
leave of absence 休暇、休職

■名言を解剖する

There is only one day left, always starting over: it is given to us at dawn and taken away from us at dusk. 

(残っているのはあと1日だけ、常にやり直しだ。一日は夜明けに与えられ、夕暮れに奪い去られるのだ)

there is only one day leftは、leaveの過去分詞形leftが直前のone dayを修飾している形です。

start overは「やり直す」。This chart is hard to understand. Let’s start over and make a better one.と言えば「このチャートは理解するのが難しい。一からやり(作り)直して、もっといいものを作ろう」という意味になります。

it is given to us at dawnの冒頭のitは、one dayのことです。is givenは受動態です。受け身の作り方は、be動詞の後ろに過去分詞形を持ってくればOKです。

dawnは夜明け、at dawnで「夜明けに」。ですから、「それは夜明けに私たちに与えられる」となります。

and taken away from us at duskは、「そして」という意味の接続詞andがありますから、前のit is given...のit isがtakenにそのままかかっています。つまり、ここも受け身です。take away fromで「(から)取り除く」なので、受け身だと「取り除かれる」になりますが、もう少し強めの表現がふさわしい気がしたので、「奪い去られる」と意訳しました。

duskは「夕暮れ、夕闇」、at duskで「夕暮れに」。dawnとduskは対になる言葉ですから、セットで覚えておいてください。

■今週の1枚

千葉県木更津市の江川海岸で撮影しました。好天だと、富士山もきれいに見えます。

よく訪れるスポットですが、 夕日の具合や雲の位置を気にし、干潟に富士山のreflectionも入れてなどと欲張ると、なかなかシャッターが押せなくなるんですよね。まだ寒い時期、凍えながらも執念深く待って撮った1枚です。季節外れなカットですが、今日8月10日の山の日(Mountain Day)にちなんで、掲載させていただきました!

さて次週(8月17日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、アメリカのミュージシャン、プリンスの言葉をフィーチャー。4年前に57歳で亡くなってしまった、才能豊かな彼の人生観が凝縮された一言です。日本人にはなじみが薄い、でも使い勝手のいい単語をピックアップして、じっくり解説もしますよ。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。