もともと飛ばすことにはそれなりに自信があったのですが、本気で飛距離を伸ばしたいと思ったのは、2017年のシーズン前のこと。自分自身、これといった強みがないと感じていたので、飛距離だけは誰にも負けないようにしようと思ったのが飛距離アップに取り組むようになったきっかけです。

 そのために、クラブよりも長くて重いものを振ってパワーを付けたり、長いドライバーが振れるように体幹を鍛えたりしました。ちなみに体幹は素振りで鍛えようと考え、かなりしっかり素振りをしましたし、素振り練習は今でも続けています。

 また、ドライバーに関しては自分のスイングで最も飛距離の出るヘッドとシャフトを探すためにいろいろなクラブを試打しました。

 なお、スイングに関しては、大きく変えるということはしなかったのですが、少しトップを高くするなど、細かい部分ではいくつか修正をしました。

 その成果は思ったよりもすぐに表れ、17年は国内ツアーのドライビングディスタンスで1位(260.76ヤード)になったほか(18年も1位、19年は2位)、17年の全米女子オープンでは4日間平均256.59ヤードでドライビングディスタンス1位になることができました。

 数ある練習やスペック選び、スイング変更の中で、最も効果があったと思うのは、アッパー軌道でボールをとらえるようにしたことです。

 何故、アッパー軌道で打つと飛距離が伸びるのか?

 第一に、最下点よりも少し先のほうがヘッドスピードがより加速するので、ボールの初速も速くなるからです。

 また、上昇する軌道の中でヘッドがボールに当たるので、その分、球が高く上がると同時に、バックスピン量も減少し、いわゆる飛びの弾道である“高弾道、低スピン”になりやすいというメリットもあります。

 さらに付け加えれば、アッパー軌道にするとボールが飛ぶ方向にヘッドが抜けやすくなるので、方向性が安定して平均飛距離もアップするのです。

 もし皆さんが、何も考えずにドライバーを目一杯振り回しているというのであれば、少しだけでもいいのでアッパー軌道を意識してクラブを振ってみてください。確実に飛距離は伸びるし、方向性も安定しますよ。

葭葉ルミ(よしば・るみ)
1993年3月12日、東京都生まれ。2012年、2度目の挑戦でプロテストに合格。2013年ステップアップツアーで初優勝。16年にレギュラーツアーで初優勝を飾る。2017年ドライビングディスタンスで1位になったほか、同年の全米女子オープンでも同部門1位に輝く。2019年シーズンは38試合に出場。賞金ランキング39位で、6年連続でシード権を獲得した。

【関連】ZAKZAK by 夕刊フジ(夕刊フジ 2020/1/10 発売号より転載)