「ウェブ炎上、あなたにもふりかかる?」 ニュース畑オフ会の提案は「炎上保険」


gooニュース畑が初のオフ会を開き、荻上チキさん(中央)をゲストスピーカーに、一般参加者と「ウェブ炎上」について話し合った=2月29日夜、東京・大手町(gooニュース撮影)
gooニュースのニュース掲示板「ニュース畑」が2月29日夜、ユーザーを招いて初の「オフ会」を開き、「ウェブ炎上、あなたにもふりかかる? ——みんなで考える新しいウエブ生活」をテーマに話し合った。著書「ウェブ炎上—ネット群集の暴走と可能性」の筆者・荻上チキさんをゲストスピーカーに招き、「炎上」という現象はどうなっているのか、マスコミはそれを報道すべきなのか、炎上を防ぐにはどうしたらいいか、豊かなウェブ空間を確保するにはどうすべきかなどを議論。最後には「『炎上保険』を作ればいいのでは」「『ウェブ消防署』を作ればいいのでは」などの、斬新(?)なアイデアの提案もあった。(gooニュース)


○サイバーカスケードとネットの私刑化

NTTレゾナント(東京・大手町)の会議室には、一般参加のユーザーやgooニュース・スタッフ、取材マスコミなど約30人が集まり、「ウェブ炎上」について話し合った。

ゲストスピーカーの荻上チキさんがまず、「(芸能人ブログなど)話題になる大きな炎上がある一方で、小さな炎上があちこちで起きている。かつては一部の人しか関係がなかったが、1億総ブロガー時代の今、自分も被害に遭うのではないかと多くの人が不安に思っている。表面的には正義を装っていても、本音は違う動機のバッシングが起きている。コメントによるバッシングだけでなく、ブックマークを使った炎上もある。そうして起きる小さな炎上や2ちゃんねる上の炎上が、まとめサイトに載り、それをインターネット・メディアがとりあげ、さらに炎上が拡大する。僕はこういう状況を『サイバー・カスケード』と呼ぶ。そうした中で企業は、フィルタリング機能に飛びつき始めた」と状況を分析。

これに対してgooニュース・スタッフでブログ「ガ島通信」運営の藤代裕之が、「自分のブログも炎上したことがある」と切り出し、「ここ数年、炎上の駆け上がり方がすごい。ネット上のマスメディアが炎上を取り上げることで、炎上を加速させる。J-CASTや『痛いニュース』など、ヘビーなネットユーザしか見ていないところならそこで留まるが、さらに大手新聞社系の記者たちが炎上に注目して報道することの影響が大きい。果たしてそれが、大手メディアのジャーナリストがすることなのかどうか」と疑問を呈した。

藤代は加えて、「ネット以前は、誰をどういう理由と基準で批判するかというのは、メディアが経験則で決めていた。何はしてはいけないという暗黙のルールもあった。しかし一億総ブロガー時代になり、何をしたらいけないという意識が共有されないまま、メディアがやっていたバッシングを一般がやるようになった。これが、ネットによる私刑を呼んでいる。みんな自由をむさぼりすぎているのではないか。またメディア側も、ページビューがとれる内容なら書いていいという意識にシフトしつつある。一億総ワイドショー化だ」と批判した。その上で「逆にこうしてみんながワイドショー化していけば、むしろ専門家の発言のニーズは高まっていく」とより高い専門性の重要性を指摘した。

荻上さんはさらに「つながりすぎてしまうのが、ネットの問題。たとえばmixiで学校の友だちや会社の同僚にコミュニティを開放してしまうと、学校や会社のことは書けなくなったりする。どういうサイトをどう使い分けるか、ネットサービスの住み分けニーズは高まっている」と指摘。

これに対して藤代は、「ひとりの人間には色々な場面で色々な顔があるのに、ネットはそれをいっしょくたにしてしまう。自分自身でネットサービスを適宜、使い分けられる人もいるが、これだけ利用者が増えてしまうと、みんなにそれを求めるのは無理。サービス側での工夫が必要となる」と、ウエブサービスを提供する側の工夫を求めた。


○「日本語鎖国」が解けたとき、日本はどう見られる?

一般参加者を交えたフリーディスカッションでは、日本だけでなく韓国やアメリカなど世界中でウェブ炎上が起こり、自殺者まで出ていると指摘があり、それについて荻上さんが、「なので日本だけで対策していても仕方がない。国際的な対策が必要だ。日本は『日本語』という特性があって、これまでネット鎖国状態を作れてはいるが、グーグルなどがどんどん日本語コンテンツを自動翻訳するようになってきている。するとギャグでやっている『嫌韓・嫌中』的な書き込みなどがどんどん翻訳されて世界で読まれ、日本はとんでもない人種差別主義者の国、ということになりかねない」と警鐘を鳴らした。

gooニュース畑のオフ会で、一般参加者やゲストスピーカーが「ウェブ炎上」について熱く議論

さらに参加者からは、ネットで盛り上がったり炎上したりするのは、都会や全国ブランドの話だけではないか、地方格差の縮図がネットにもあてはまるのではないかという指摘があった。これに対しては、地方発のおもしろい話を、それを面白いと思う人たちにつなげれば一気に盛り上がる、それがネットの特性なので、うまく活用すれば観光資源づくりや地域おこしにもなるという意見が出た。


○ワークショップからの提案は…

最後に、では具体的にどういう対策をとれば炎上や炎上による悪影響が防げるのか、数人のグループに分かれて話し合い、最後に発表するワークショップを実施。発表された提案は以下の通り——。

・「赤ペン先生」: ウエブ上の書き込みを誰かがチェックしてくれる仕組みを作る。ニュース畑の編集チェック機能みたいなもの。

・「炎上保険」: 「炎上は交通事故みたいなもの」という発想から、ウェブで発言する人は誰もが保険料を必ず負担する、国民皆保険制度。マスメディアも、2ちゃんねるに書く人も皆、保険料を払う。毒舌な人は高い保険料を払う。ページビューが高いサイトやブロガーも、保険料が上がる。これが実施されたとき、予想される問題は「炎上詐欺」。

・「炎上消防署」: コメントをチェックして問題があったら消火活動にあたってくれるPR会社のサービスなどはすでにある。それをウェブの設計に組み込み、炎上したらそのサイトを公共サービスとして止めてしまう。

・「コミュニケーション能力の向上」: 炎上はネット以前からあり、それは日常のコミュニケーション不足と関係している。なのでアナログでのコミュニケーション能力を高める。また攻撃発言に対する免疫力を高めるなど、ネットのコミュニケーション参加に必要なスキルを高める。炎上したからといってブログを止めてしまうと、そこで更新が止まってしまって残るので、解決にはならない。

・「ダミー炎上」: 炎上と言うのは、実は楽しんでいる人が意外に多い。それで人命が損なわれたり、金銭的損失がない限り、発言内容による自業自得的な部分があるなら、それは炎上することで、「反社会的なことは書いてはいけない」という啓蒙にもつながるので、必要なものなのかもしれない。なので、誰も傷つかない炎上があればいい。「偽装炎上」とか「やらせ炎上」をたとえば架空の人について定期的に作り、誰も悲しまないし被害を受けない炎上をわざと作って、みんなが楽しめるというのがいいのではないか。

・「メディアの特性理解」: 炎上が怖いからネットに書かないというのは良くないので、炎上を恐れずに、メディアの特質を理解して使い分ける能力を高めるべき。

・「炎上上等」: 炎上しそうな時は、閉じる。あるいは「生協の白石さん」のようにスパイスを交えながら、ノーとはいわず、自分の方向性を変えずにスルー。最初の頃かなり炎上した女子大生ブログがあるが、彼女は独自の論点をかえずに更新したことで、キャラが立ち、マスコミでもとりあげられた。書く人間は自分のキャラを立てるべき。炎上上等で臨む。

・「チュートリアル」: キッズ携帯のように、ネットを使う側の能力を段階的に上げていくためのチュートリアル機能を設計する。ひとつのレベルの能力を習得しないと、次の利用レベルには上がれないというように、設計が必要。

・「個人特定」: 便利さと引き換えに個人情報を登録する人が増えれば、無責任な匿名書き込みは減る。ログイン利用者の増加で、書き込む人の特定ができるようになれば、法的責任は問えるようになる。


さらにこちらで議論の続きを受付中。
ウェブ炎上、オフ会で議論しました 「炎上保険」とか「消防署」とか提案がいろいろ(gooニュース畑)


ニュース畑オフ会開催のきっかけとなった話題はこちら。
2ちゃんねる化するマスコミ、息が詰まる社会に誰がした (gooニュース畑)


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