新日本プロレスのハロルド・ジョージ・メイ社長が13日、公式YouTubeチャンネル上で新型コロナ影響下での団体スタンスを説明。緊急事態宣言の発令中は無観客であっても試合を再開しない方針を示した一方で、解除後に通常興行再開を目指す段階的な「ロードマップ」も提示した。(※画像はYouTubeから)

 新日本は3月から一切の興行を自粛。春のトーナメント『NEW JAPAN CUP』や両国国技館の『SAKURA GENESIS』、ゴールデンウイーク恒例の博多『レスリングどんたく』、そしてジュニアの祭典『BEST OF THE SUPER Jr.』など恒例シリーズや恒例ビッグマッチの次々中止を余儀なくされてきた。

 自粛期間中は『Togetherプロジェクト』と名付けられた動画企画や、グッズ企画などを展開してきたものの、「検討中」とされてきた無観客試合の開催にはいまだ至っていない。

 すでに各団体が無観客によるTVマッチを定例化させつつあるなかで、日本プロレス界最大手である新日本の判断が注目されていたが、13日にメイ社長が「これまでの考え方や活動報告、大会再開に向けてのロードマップ」を説明する動画が、公式YouTubeチャンネル上に投稿された。

 動画内でメイ社長は「旗揚げ以来かつてない非常事態。表現できないほどの悔しさと、大きな損失、身を切るような強い痛みを感じています」としたが、それでも無観客試合の開催に踏み切らなかった理由を説明。

 「選手、スタッフを感染のリスクから守るため」「会場側から使用許可が下りない」「企業の社会的責任」の3項目を挙げた。

 特に時間を割いたのは3番目の「企業の社会的責任」で、日本プロレス界最大手としての注目度と社会的責任を自覚し、倫理観をかんがみたうえでの判断だったことを強調。

 「ある業種が感染拡大後も営業活動を続け、自粛要請のなかでも『まだやるのか』と強い批判を受けました。新日本プロレスが無観客でも試合を行うことで『やっぱりこういう時でもプロレスはやるんだな』というイメージを世の中に持たれたくない。新日本プロレスが時間をかけて培ってきた“信頼"をコロナショックによって失いたくない」と話した。

 一方で通常興行再開を段階的に目指すうえでの「ロードマップ」を提示。緊急事態宣言の発令中は無観客であっても試合再開を見合わせる方針を示した。

 解除後に「新規感染者数の減少など、感染状況が下降局面に入り『リスクが低下した』『健康観察やあらゆる予防策により、プロレスができる』と判断した場合には、再開の第一歩として無観客試合の実施を検討」する。米ロサンゼルス道場を使った無観客試合の“日米開催"も視野に入れた。

 「次のステップ」としては“観客あり"の興行再開を目指す。検温や換気、消毒、喫煙スペース閉鎖といった感染拡大防止措置を講じたうえで、一席ずつ客席の間隔を開けた“会場キャパシティの約半分"から再開したい見通しも示した。

 試合配信がなくとも動画配信サービスの『新日本プロレスワールド』は、「ほとんど」の既存会員が月額契約を継続中で、グッズ売上も好調だという。

 「新日本プロレスを応援してやろうという気持ちは、毎日社内の全員がひしひしと感じています。本当にありがとうございます」。

 そう深く頭を下げて感謝したメイ社長は「世界中で新型コロナウイルスの影響を受けて大変苦しい思いをされている方がたくさんおられると思います。私もその一人です。こんな時こそプロレスの力が必要です。プロレスは観る人に困難と闘う力、勇気、明日への活力を与えてくれます。新日本プロレスはどんなことがあっても新型コロナに負けません。絶対にその歴史を絶やすことなく、10年後も20年後の生き残りをかけて頑張ります。プロレスファンの皆様、今はひじょうに苦しいときです。これからも一緒に目の前の困難と闘い、一緒に乗り越えて、一緒に生きていきましょう。新日本プロレスがパワーアップした姿で戻ってくる日はもうすぐやってきます」と力強く語りかけて動画を締めくくった。