感受性がとても豊かな乳幼児期。皆さんはお子さんにどのような絵本を読み聞かせしていますか? 世の中には絵本がたくさんあり、ジャンルや種類もさまざまなので、どんな絵本を選ぶのがいいか迷いますよね。

ユーモアあふれる絵本、おいしそうな絵本、発見がある絵本、冒険心をくすぐる絵本、大切なことを教えてくれる絵本、想像力を膨らませられる絵本など、読むことで感受性を豊かにしてくれる絵本は沢山ありますが、今回はその中でも優しい気持ちになれる素敵な絵本を紹介したいと思います。

(読み聞かせなら早くて2歳、3〜4歳くらいのお子さんにおすすめです)

1.ずーっとずっと大好きだよ  / 作・絵 ハンス・ウィルヘルム(評論社)

この本は私も小さな頃に読んでいたなじみのある絵本です。タイトルのずーっとずっと大好きだよ、という言葉の通り「愛していることを言葉にするという大切さ」を伝えている絵本。主人公の男の子と飼われている犬のお話なのですが、2人がどんなに仲良しか、どんなふうに日々を過ごしていくのかがつづられていきます。最後に年を取った犬は死んでしまいます。小さなお子さんにとって「死」というものを理解することは難しく、また大人も絵本で伝えるにはためらうこともあるかもしれませんが、外国人作家の絵本はこのようなテーマをストレートに伝えるものが多いような気もします。

この絵本は、大切な犬は死んでしまうけれど、でも主人公が毎日ずっとずっと大好き、と犬に伝えていることが描かれていて、死というテーマの中でも明るさがあり、大切な人とどうやって生きていくべきなのかを伝えてくれます。ぜひお母さんお父さんにも読んでもらいたい絵本。大人に対しても「あ、大切な人に言葉にして伝えよう」という気持ちにさせてくれます。我が家の娘も「ずーっとずっと大好きだよ」が口癖のようになっていて、いつも私にその言葉を伝えてくれるようになりました。

2.いちばんしあわせなおくりもの /  作・絵 宮野聡子(教育画劇)

これぞほっこり、優しい気持ちになれる絵本の代表ではないでしょうか。仲良しのくまくんとこりす。2人はどんな時にも一緒なのですが、こりすはくまくんに何かをプレゼントしたくてたまりません。何度も何度もくまくんに「何が好き? 何が欲しい?」と問いかけるのですがそのたびにくまくんは「何もいらないよ」と。こりすは困ってしまうのですが、くまくんは「君といるだけで、他には何もいらないんだ」という言葉を口にするのです。こんな友情ってあるでしょうか? くまくんの優しさ、穏やかさにこちらも心が優しくなれることは間違いありません。自分もこんなふうな心を持ちたいな、と思わせてくれます。絵もとてもかわいいのでお子さんが気に入って読みやすいというのもおすすめしたい点です。

3.とんことり  /  作 筒井頼子 ・絵 林明子(福音館書店)

こちらはおなじみの筒井頼子さん・林明子さんのコンビである絵本。絵と雰囲気を見たことがある方は多いかもしれません。「とんことり」というフレーズが気になって仕方ないと思うのですが、実際にこの絵本を読んだら娘は「とんことり」を口癖のように口ずさむようになりました。

新しい街に引っ越しをしてきた主人公の女の子が、毎日「とんことり」という音とともに郵便受けに入ってくるちょっとしたプレゼントを受け取って、誰からの贈り物だろう? とずっと考えます。新しい街での暮らしも、とんことりのおかげでちょっとわくわく、素敵なものになりそうな予感がします。最後にその相手と出会い、2人で走り出すシーンはとてもすがすがしいもの。毎日新しいプレゼントが郵便受けに入っていたら嬉しいだろうな、それをしてくれる優しい人は誰なんだろう、と大人もわくわくさせられる絵本です。

4.だいすきっていいたくて /  作 カール・ノラック・絵 クロード・K・デュボワ(ほるぷ出版)

この絵本もまさにタイトルの通り、大切なことを口にする、言葉にすることの大切さを教えてくれるフランス人作家によって書かれた素敵な絵本です。

主人公のりすのロラが、朝起きてから「だいすき」という言葉を口にしたくてたまらない。でも周りのみんなは忙しく、家にいても学校にいても言うような時間がない。ちょっとすねてしまいたくなってしまうロラですが、最後には…というお話。普段思っていても、大好きという言葉を相手に伝えることはなかなかないですよね。でも特に親と子どもの関係においては、大好きだよ、ということを口にして伝えることが、どれだけ子どもの心の安らぎや成長に大切なことかを考えさせてくれる絵本です。言葉が意思を持った生き物のように動いていくストーリーは、言葉を大切にする欧米文化ならではの雰囲気もありますが、だからこそ日本にいる私たちに大切なことを教えてくれます。

5.たからもののあなた /  作・絵 まつおりかこ (岩崎書店)

お母さんと子どもの大切な関係を築くために、ぜひおすすめしたいのがこちらの絵本。特に現在仕事で忙しかったり、仕事と子育ての両立に追われるママにはもってこいのお話です。

幼稚園に通うミイちゃんは、お母さんがお仕事で忙しいのでなかなか一緒にいる時間がありません。なかなかうまくいかなくて、お母さんとすれ違ってしまい泣いてしまうミイちゃん。そんなミイちゃんに語りかけるお母さんの言葉や態度は、胸に突きささるものがありとっても温かい気持ちになります。作者のまつおりかこさんはまだ若い作家さんですが、ご自身が共働き家庭で育ち鍵っ子として育った経験があるとのことで、経験に基づくこのストーリーには説得力もあります。

お子さんと十分に時間が取れないと感じているお母さんは、どんな言葉をかけてあげたら良いのか、どんな関係を築いたら良いのかヒントをもらえる絵本です。

読む大人も温かい、優しい気持ちになれる絵本は本当に素敵だと思います。ぜひお子さんとの絵本時間で愛情を育んで下さいね。