妊娠すると、恥骨に痛みがでることがあります。出産に深く関係する部位であるために「もしかして、もう赤ちゃんが降りてきているから痛いの?」と不安になるかもしれません。
しかし、恥骨痛と早産に直接的な関係はないようです。 そこで今回は、妊娠中の恥骨痛や対処法について紹介します。
早産と恥骨痛の関係とは?

恥骨痛があると、必ずしも早産になるというわけではありません。妊娠週数が進むにつれて、身体の変化が顕著になってくるため、さまざまなところに痛みや不調が出るようになります。恥骨痛もそのうちの一つと捉えましょう。
恥骨痛の原因

恥骨痛の原因は「胎児の体重増加による圧迫」と「ホルモンバランスの乱れ」、「前回の出産」が影響していると考えられます。
胎児の体重増加
胎児の成長により、恥骨が5mm〜1cm開くことがあります。無理矢理に広げられている状態のため、恥骨に痛みが生じるようです。
妊娠後期に入るとさらに胎児が成長するため、重みにより骨盤が下垂。その結果、痛みが出てしまうことがあります。
リラキシンの分泌
妊娠すると分泌される、リラキシンが痛みの原因でもあります。リラキシンは出産準備として、骨盤周りの関節や靱帯を緩める作用があるのです。恥骨の結合が不安定になることで、「動くたびに恥骨が緩み痛む」と言われています。
前回の出産の影響
前回の出産で開いた骨盤をそのままにしていると、そのあとの妊娠の際、恥骨痛に影響することもあるようです。そのため、出産後は一定期間、骨盤ベルトを使用して骨盤を閉めるようにしましょう。
恥骨痛の緩和方法

恥骨痛緩和には以下の3つの方法が挙げられます。
- 骨盤ベルトを使う
- 横向きに寝る
- あたためる
胎児の重みによる圧迫を軽減するか恥骨周りの筋肉をあたためてあげると、痛みの軽減に繋がります。
骨盤ベルトを使う
恥骨痛の緩和には、骨盤ベルトがサポートとして使えます。恥骨痛の原因の一つである「胎児の重み」を骨盤ベルトで支えれば、恥骨への圧迫を軽減することができます。
ただし、骨盤ベルトは間違った位置に着けていると状態は改善しません。着け方巻き方で意識したいのは、「恥骨」と「大転子」をライン上に結ぶこと。まずは以下の方法で2つの骨を探してみましょう。
- おへそから下にまっすぐ指をおろしていったところに堅い骨がある=恥骨
- 恥骨から左右の外側、太ももの付け根あたりの堅い骨を探す=大転子
2つの骨をライン上で繋げるようにして、骨盤ベルトを巻くと正しい位置で装着ができますよ。
横向きに寝る
就寝中の恥骨痛は、横向きに寝ることで緩和されます。さらに大きめのクッションを足の間に挟むと、恥骨への負担が軽減するため、痛みの緩和に有効です。
あたためる
あたためることで、痛みが緩和することもあるようです。恥骨には、内ももにある多くの筋肉が付着しています。内ももの筋肉群が凝り固まっていると、痛みの原因になってしまうことも。
その場合、筋肉をあたためてあげると痛みが和らぐことがあります。
痛みが酷い場合は病院に相談しよう

「対処法を試しても痛みが緩和されない」「痛くて耐えられない」というような場合は、我慢をせずに病院に相談してみましょう。特効薬はありませんが、鎮痛剤を処方してくれるかもしれません。
快適な妊娠生活を送るためにも、恥骨痛を上手にやり過ごす方法を探ってみましょう。