8年前、道内の陸上自衛隊で、当時19歳の新人隊員が自殺したのは、先輩隊員からの「いじめ」への、対応を怠ったからだとして、国を訴えた裁判が、26日から始まり、原告の母親が切実な思いを法廷で語りました。

 「最初は楽し気でしたね。入ったばかりのころは。幹部候補生になれたことで、自分が進む道は将来上官だと…」(母親の川島五月さん)

 8年前、陸上自衛隊白老駐屯地に所属していた、当時19歳の川島拓巳(かわしま・たくみ)さんが、自ら命を絶ちました。母親の五月(さつき)さんは、息子を自殺に追いやった原因を、寮での先輩隊員からのいじめだと考えています。

 「ちょっと失敗すると腕立てをさせられたり、部屋掃除で掃除機をかけるとうるさいと…『つらい。いじめられてつらい』という話はよくしていました」(母親の川島五月さん)

 拓巳さんからたびたび相談を受けていた五月さん。「いじめ」について拓巳さんの所属する部隊に、自ら相談もしました。

 「こっちからいくら言っても、向こうから返ってくるのは『大丈夫です』という言葉だったから、幹部候補生で入っているので、任期満了の3月まではいてほしいと」(母親の川島五月さん)

 なぜ、息子は自殺に追い込まれたのか?五月さんら遺族は、26日、所属する部隊が「いじめ」への対応を怠ったとして、国に慰謝料などを求めた1回目の裁判に臨みました。そして、五月さんは、法廷で「息子を死なせたのは自衛隊。ちゃんと説明し、責任を取ってほしい」と改めて訴えました。
 これに対し、被告の国側は書面で、「請求の棄却を求める」と争う姿勢を示しました。初めての裁判を終えた五月さんは…。

 「私が前にでることによって、同じような苦しみを持っている人が1人でも多く救われたらと思っています。拓巳には、きょうから始まるよと。これから先は長いけど、母さん頑張るよと」(母親の川島五月さん)

 次の裁判は9月4日に行われます。