中森俊介、篠木健太郎を筆頭にオリンピックイヤーをけん引する40人の好投手たち

2020年のドラフト候補の高校生は、投手、野手ともに充実した顔ぶれとなっている。投手は東西ともに実力派が揃っている。
 今回は、編集部のドラフト部長こと河嶋 宗一がこれまでに見てきた選手を中心に、シリーズ別で紹介したい。

2020年世代のトップを走るビッグ4たち

2020年世代のトップを走る中森俊介(明石商) ※写真=共同通信社

 まず今年の世代のトップを走るのは、中森 俊介(明石商)だろう。ここまで3季連続で甲子園に出場している実績が示す通り、完成度の高さは今年のドラフト候補に挙がる高校生右腕と比較しても、凌駕するものはあり、奥川 恭伸(星稜)に迫るものがある。最速151キロのストレートは勢いがあり、特に勝負所で投げ込むストレートは手が出せないものがある。さらにスライダー、フォーク、カーブと変化球の精度も高い。この世代のエースとなる投手だろう。

 中森に続く好投手は多い。まず紹介したいのは篠木 健太郎(木更津総合)だ。全身をバネのように使い、伸びやかなフォームから投げ込む速球は2年生秋の時点で常時140キロ前半。力を入れれば145キロ、6キロは当たり前のように投げ込む。そして130キロ前後の高速スライダーの切れ味も魅力だ。関東大会出場はならなかったが、投手としての実力は全国レベル。

 関東地区でもう1人注目したいのが、剛腕右腕・菊地 竜雅(常総学院)。菊池はこの夏、最速150キロを計測。1年生の時から140キロ前半の速球を投げられた菊地だが、1年生の時と比べても、フォームの技術が磨かれ、速球のスピード、制球力、全てが高まった。この1年は実力、実績ともに同世代を上回ることができるのか注目だ。

 そして小林 樹斗(智辯和歌山)も世代トップの剛腕だろう。リリースまで全く力みが見られないフォームから繰り出す140キロ後半の速球はモノが違う。今は140キロ後半の速球を投げる高校生は多くなったが、小林は力の入れどころが分かっているので、伸びが違うのだ。変化球の精度も非常に高く、投球内容も安定しており、智辯和歌山では久しぶりに投手で高卒プロを狙える逸材といっていいだろう。

 この4人は好投手が数多いこの世代の中でも突き抜けているだろう。

今年は北海道、関東地区に好投手が集結

豆田泰志(浦和実)

 その他の好投手を北から順番に見ていきたい。北海道では支部予選敗退となったが、北嶋 洸太(駒大苫小牧)は174センチ84キロの体格から140キロ中盤の速球、切れのあるスライダーを投げ込む。
 駒大苫小牧と同地区で、支部予選で何度も激闘を繰り広げている苫小牧中央のエース・根本 悠楓も左腕から投げ込む140キロ中盤の速球が魅力だ。197センチの大型左腕・阿部 剣友(札幌大谷)は最終学年で化けるか。

 全道大会に出場した松田 大輝(北見工)は178センチ82キロと恵まれた体格から最速140キロを計測する大型右腕。初の全道大会優勝を決めた白樺学園の右腕・片山楽生は最速142キロを誇る。神宮大会ではどんなピッチングを見せることができるか。東北では、2年生の時から140キロ中盤の速球を投げ込んだ小牟田 龍宝(青森山田)に注目。

 関東地区では埼玉県に逸材が揃い、140キロ中盤の速球とカーブ、スプリットを武器にする内田 了介(埼玉栄)は2年前のエース・米倉 貫太(Honda)に匹敵する大型右腕で、打撃力も高く、投打ともに期待したい逸材。美又 王寿(浦和学院)は右スリークォーター気味のフォームから繰り出す140キロ前半の速球と120キロ後半の縦スライダーが魅力。

 この夏、浦和学院を完封した右腕・豆田 泰志(浦和実)は140キロ前半の伸びのあるストレートが異質で、他の投手にはない強みがある。この1年、しっかりと鍛え上げて、隙のない投手へ成長してほしい。

 千葉県では篠木 健太郎(木更津総合)に続く投手として期待したいのが堀井 遥斗(習志野)。180センチ80キロと均整が取れた体格から投げ込む速球は常時140キロ前半で、スライダーの切れ味もよい。木更津総合の2番手左腕・吉鶴 翔瑛も最速140キロのストレートと120キロ前半のスライダーを丁寧に投げ分け、実力そのものは、関東でもトップクラスだ。

 143キロ右腕・箱山 優(日体大柏)は打者としても、投手としても千葉県内ではトップクラスのポテンシャルを持っている。ただ、実力のほとんどを発揮できていない。化ければ一気に県内トップクラスの選手へ成長する可能性を秘めている。



篠木健太郎(木更津総合)

 また、140キロ右腕・竹内 将悟(拓大紅陵)、130キロ後半の速球を投げ込む相馬綾太(志学館)も来年には140キロ中盤の速球を投げ込んでいてもおかしくない伸び代を感じさせる。

 神奈川県では、木下 幹也と松本 隆之介の横浜2枚看板の実力は全国クラス。この秋はベスト8に終わったが、県内の指導者の間では選手の実力そのものは横浜が一番と推す声が多い。木下は真上から振り下ろすフォームで繰り出す140キロ前半の速球と120キロ後半のスプリットを投げ込む。松本は長身から繰り出す130キロ後半の速球、120キロ後半のチェンジアップが決まった時は簡単に打ち崩せないものがある。

 また、横浜打線を完封した安達 壮汰(桐光学園)は135キロ前後の速球を内外角にきっちり投げ分け、低めのスライダー、チェンジアップを投げ込む大型左腕。さらに逆方向にも長打が打て、好投手にもしっかりと対応できる打者としても高く評価する声があり、どの路線に進むのか、楽しみだ。

 東京都では日大三のエース・児玉 悠紀も期待の好左腕。最速139キロながら切れのあるスライダーを内外角に投げ分ける制球力の高さは群を抜いている。147キロ右腕・藤井 翔(東海大菅生)も好調時に決まる140キロ台の速球とスピンがかかった120キロ後半の縦スライダーの精度の高さは抜群だ。

東海、近畿、中四国、九州に潜む好投手たち

常田唯斗(飯山)

 東海地区では148キロ左腕・高田琢登(静岡商)、1年生時から注目を浴びた148キロ右腕・高橋 宏斗、また140キロ前半の速球を投げ込む松島 元希(中京大中京)も評判の好左腕だ。
 北信越地区では、最速144キロ右腕・阿部 巧雅(上田西)の完成度の高さは、北信越地区でもトップクラス。同じ長野県の常田 唯斗(飯山)は角度のある140キロ前半の速球がドラフト候補と呼べるものがあり、制球力、ウイニングショットなどあらゆる部分を鍛えて全国クラスの投手へ成長できるか。

 三季連続の北信越大会優勝を狙う星稜は大型右腕・寺西 成騎に期待。北信越大会2回戦の敦賀戦では130キロ後半の速球を武器に、14奪三振を奪う快投を見せた。林和成監督は「今年のチームのキーマン」として期待しており、全国クラスの剛腕へ成長を遂げるか。笠島 尚樹(敦賀気比)は、伸びのある140キロ前半の速球の精度の高さは全国トップクラスで、スライダーの切れ味も鋭く、来年には150キロ前後も見えてくる好投手。

 近畿地区では夏の甲子園で優勝投手となった岩崎 峻典(履正社)は140キロ前半の速球、カットボールを武器にする好右腕。また藤江 星河(大阪桐蔭)も徐々に成長を見せている好左腕で、角度のある130キロ台の直球とチェンジアップにさらに磨きがかかれば面白いだろう。

 中国地区では土岐 尚史(米子東)に注目。二季連続の甲子園出場に貢献したエース・森下 祐樹から投球術、メンタルを学びながら成長を見せた好左腕。140キロ近い速球と切れのあるスライダーで勝負。来年には中国地区屈指の左腕へ成長しそうだ。

 四国地区では、高知、明徳義塾を破り、県大会優勝を決めた高知中央の和田 育也は最速142キロの速球、縦横の鋭いスライダーを武器にする好右腕。

 九州地区では福岡大大濠の2枚看板・深浦 幹也、山下 舜平大に注目。深浦は140キロ近い速球と120キロ後半のスライダーを武器にする好左腕で、さらに打撃センス、守備力も高く、野球選手として才能豊かだ。山下は186センチの長身から繰り出す140キロ前半の速球とカーブを武器にする。阪神で活躍する大型右腕・濱地 真澄以来の大器として評価が高い。

 福岡ソフトバンクで活躍する川瀬 晃の弟・川瀬 堅斗は、スケール感たっぷりの大型右腕。明豊の若杉 晟汰は実績抜群の好左腕。140キロ前半の速球は切れがあり、スライダーの精度も高く、いつでも試合が作れる投球術は左腕としてもトップクラスだ。140キロ前半の速球、スライダーを投げ込む投球は迫力があり、19日から開幕する九州大会でも注目だ。また最速146キロの速球を投げ込む有馬 太玖登(都城東)も翌年以降の進化が見逃せない。

 最後に、ドラフト部長こと河嶋宗一が選んだ「2020年の注目投手」をおさらいしよう。

▼名前をクリックして40名の選手名鑑をチェック!
【注目投手一覧】
中森 俊介(明石商)
篠木 健太郎(木更津総合)
菊地 竜雅(常総学院)
小林 樹斗(智辯和歌山)
北嶋 洸太(駒大苫小牧)
根本 悠楓(苫小牧中央)
阿部 剣友(札幌大谷)
松田 大輝(北見工)
片山楽生(白樺学園)
小牟田 龍宝(青森山田)
内田 了介(埼玉栄)
美又 王寿(浦和学院)
豆田 泰志(浦和実)
吉鶴 翔瑛(木更津総合)
堀井 遥斗(習志野)
箱山 優(日体大柏)
竹内 将悟(拓大紅陵)
相馬綾太(志学館)
安達 壮汰(桐光学園)
松本 隆之介(横浜)
木下 幹也(横浜)
児玉 悠紀(日大三)
藤井 翔(東海大菅生)
高田琢登(静岡商)
高橋 宏斗(中京大中京)
松島 元希(中京大中京)
阿部 巧雅(上田西)
常田 唯斗(飯山)
寺西 成騎(星稜)
笠島 尚樹(敦賀気比)
東田 健臣(西脇工)
岩崎 峻典(履正社)
藤江 星河(大阪桐蔭)
土岐 尚史(米子東)
和田 育也(高知中央)
深浦 幹也(福岡大大濠)
山下 舜平大(福岡大大濠)
若杉 晟汰(明豊)
川瀬 堅斗(大分商)
有馬 太玖登(都城東)

 次はスラッガー、好ショートストップが勢ぞろいの野手編を紹介したい。

(記事=河嶋 宗一)


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