2年連続で夏の甲子園に出場している近江。一昨年の夏から県内では負けなしを続けており、黄金時代を迎えつつある。新型コロナウイルスの影響で3年連続の甲子園は絶たれてしまったが、7月に開催される代替大会はどのようにして挑むのだろうか。

 後編となる今回は、夏へ向けた思いや伝統への意識を伺った。

連勝記録を止めるわけにはいかない


キャッチボールを行う近江の選手たち

 チームとしては3月20日から4月10日までの期間を除き、3月から5月まで活動の自粛を余儀なくされた。6月1日から練習が再開されたが、取材した9日の時点では平日は17時40分に完全下校、土日も2時間と練習時間は限られている。熱中症や怪我のリスクを考慮しながら徐々に体を慣らしていくことを優先させているため、ここまでは問題なく練習を続けられているそうだ。

 そんな中でも土田や長谷川といった主力選手は軽快な動きを見せており、自粛期間でもしっかりと自主練習ができていたのだろうというのを感じさせた。7月18日から滋賀県で夏の代替大会の開催が決まっており、そこに向けてじっくりと標準を合わせている。

 滋賀県では県の王者を決めるトーナメント戦が行われる。主将の土田は「自分たちの代で連勝記録を途切れさせるわけにはいかない」と優勝に向けて意欲的だ。戦い方は学校によって様々で3年生だけで挑むチームもあれば、学年問わずにベストメンバーで戦うチームもある。多賀監督はハッキリとした答えを出していないが、2年生を起用する意向はあると話す。

 「試合では2年生の力も必要ですし、誰が考えても『これだ!』という2年生がいたら3年生も納得すると思うんですよね。ピッチャーでも島瀧なんかは絶対に入ってくるでしょう。

 32人の3年生を何回か勝ち上がることができる想定でみんながベンチに入れるようにと思いますが、何人かは固定せざるを得ないので、なかなか難しいところはあるかなと思います。春と秋も試合ごとに入れ替えはありますが、ごく一部ですからね」

伝統、そして未来へ繋ぐために最後まで戦い抜く


バッティング練習を行う近江の選手たち

 近江のように一学年が30人を超えるような大所帯であれば、メンバー選考も難しくなる。代替大会では試合ごとにベンチ入りメンバーの入れ替えができるようになっているが、優勝を目指すには大幅な入れ替えは難しく、主力の2年生を外すわけにはいかない。難しい戦いを強いられることになるが、どのような選手起用を見せるだろうか。

 代替大会の開催方法は都道府県によって違うが、滋賀県では幸いなことに県の頂点を決めることができる。今後の感染状況によっては予断を許さないが、多賀監督は決勝まで無事に開催されることを希望している。

 「決勝戦を締めくくりのゲームとして成功に終わることが大会を用意して下さった方々への恩返しになると思いますし、そのためには感染対策や熱中症対策をして、最後まで試合が成立するのが大事かなと思いますね。3年生からは心の成長を感じ取れるような言葉が彼らの口から出てくることを希望しています。

 『1、2年生のおかげで最後に良い大会ができたことを嬉しく思う。お前らの協力がなかったら、これはなかった。ありがとう』というようなことをね。1、2年生も3年生からそういう感謝の想いを感じてもらえたらと思います。そして来年に繋げてほしいですね」

 3年連続の甲子園出場とはならなかったが、伝統を繋ぐためにこの夏が大事な大会になることに変わりはない。今夏の代替大会で優勝して、来年の甲子園に繋げるつもりだ。

(取材=馬場 遼)


関連記事
◆近江・多賀監督の「監督30周年および還暦を祝う会」が開催!盟友が明かした3つの素顔
◆2001年夏、近江の準優勝で近畿の蚊帳の外から脱却(滋賀県)
◆野球部訪問 近江高等学校(滋賀)