群馬屈指の強豪・桐生第一。昨秋はライバル・前橋育英を破って関東大会出場。関東大会でも桐光学園を破ってベスト4進出。見事選抜への切符をつかみ取った。

 その原動力となり、チームをまとめるのが廣瀬 智也だ。パワフルなスイングが最大の魅力なる大型三塁手の廣瀬。関東大会では打率.333で2打点と4番の活躍を見せ、選抜出場に貢献した。そんな廣瀬が歩んできた野球道に迫る。

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強豪チームを渡り歩いてきた廣瀬智也(桐生第一)が主砲を担うようになるまで【前編】

落ち込んでいたチームに舞い込んできた交流試合の吉報

廣瀬智也

 新型コロナウイルスの蔓延により、選抜は中止。さらに春季県大会、そして夏の甲子園も中止となる事態。この事態に廣瀬も「正直無くなったときは落ち込みました」と当時のことを振り返る。21日にチーム全体でミーティングをした際も「結構、みんな落ち込んでいました」とチーム全体のモチベーションが下がっていたことを話す。

 最初は落ち込んでいた廣瀬だったが、コーチから「お前がめげちゃダメだぞ」と励ましの言葉をもらい、切り替えて自粛期間を過ごした。

 自粛期間は自宅の近くにあったジムで身体を鍛え上げ、時には中学時代お世話になった浦和リトルシニアのグラウンドに足を運んで身体を動かした。トレーニングが中心となったが、「自分で考えて食事をしたりトレーニングをしたりするあたりは学ぶことが多かった」と自粛期間を経て新たな発見もあったとのことのだ。

 こうして6月1日から桐生第一は活動を再開。再びグラウンドで全員が練習できるようになった。ただ、決してチームの状況は良いとは言いにくい状態だった。
 「戻ってきたときは夏の大会もなくなって、みんな切り替えるのは難しいと思っていたんです。自分も夏の甲子園が中止となって絶望的な感じで辛かったので。実際に練習をしても全員気持ちが落ち込んでいて、モチベーションが低いところがありました」

 プレーに関しては、体力面はチーム全体的に上手く維持ができた、技術面では少し落ちている部分もあるなど、課題は多く残っていた。

 そんな桐生第一のもとに、選抜に出場するはずだった32校を招待する「2020年甲子園高校野球交流試合」を開催する便りが届いた。これがチームの雰囲気を一気に明るくした。
 「甲子園が決まってモチベーションは上がりました。全員、『よっしゃー』っという感じで喜んでいて、自分も校長先生から話を聞いたときは鳥肌が止まらなかったです」

見ている人が驚くようなバッティングを見せる!

関東大会での廣瀬智也 

 その一方で「しっかりやらなくてはいけない」という責任感をも感じながら、夏の大会に向けて調整を続けている廣瀬。自分の役割でもある、チャンスで一本を打つことを持ち味に夏は戦うが、甲子園では花咲徳栄との対戦を熱望している。

 「出身が埼玉で、浦和シニアから何人か花咲徳栄に進学しているので、花咲徳栄とは対戦したいなとは思います」

 将来的にはプロのステージに行けることを考えている廣瀬。指揮官の今泉監督はここまでの廣瀬の成長をこのように語る。
 「性格的には大雑把なところがあるタイプでしたが、主将になってからは自覚が芽生えて、自分の言動がチームを左右することに気づいてから人間的な部分で成長しました。

 プレーに関して言えば、バッティングでは非常に素晴らしいものが最初からありました。ただ、性格的な部分で悩んだ時期もありましたが、人間として成長してからは長打が出るようになり、チャンスで1本出せるようになりました」

 7月18日から群馬県では独自大会が始まる。そして8月に入れば甲子園での1試合だけの交流試合もある。最後の夏がまもなく始まる廣瀬に、意気込みを最後に語ってもらった。
 「見ている人が『おぉ!』と驚くようなバッティングをしたいと思います。またキャプテンとして2年半辛かったこともみんなで乗り越えてきたので、みんなをまとめて2年半の集大成をぶつけていきたいと思います」

 この夏、桐生第一の主将として、そしてチームの4番として2つの重責を担う廣瀬。チャンスでの強さ、力強いバッティングを武器に、この夏のブレークを誓う。

(取材=栗崎 祐太朗/文=編集部)

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