緊迫の好投手戦は、8回に豊田西が一気に5点を奪い決着

豊田西・難波響太郎君

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 かつて西三河地区の雄として、夏の愛知大会決勝進出も6度で春と秋の県大会では優勝実績もある豊田西。地域では有数の進学校でもある。現在でも毎年、夏までにはきっちりとチームを仕上げてくることでも定評があるが、今年はコロナの影響で、どこまでチームをまとめ切れているのかというところでもある。6月1日になってやっと全員で集まって練習することが出来たという豊田西。古和田雅章監督も、「1カ月で、何とか仕上げて、間に合わせられるようにした」と言うが、そうした中での戦いだ。

 科学技術学園豊田は通称”科技高豊田”と言われているが、愛知県が世界に誇るトヨタの企業城下町とも言える豊田市でトヨタ直系の企業内技術校である。近年、野球部も積極的に活動してきており、全三河大会を制したこともあるくらいだ。

 西三河地区では、安定した投手という評判の豊田西の前田君、科技高豊田の宇野君という左右の好投手の投げ合いという展開になった。初回は、ともに走者は出したもののどちらも併殺で切り抜けた。投球の上手さが光った。この、お互いの投球術の見せあいが終盤まで続いていく。先制したのは豊田西で2回、好打者と評判の4番高桑君が左前打で出ると、バントで進み、わずかなスキを突いて三塁に進むと、6番飯田君がしぶとく一二塁間をゴロで破って帰した。

 しかし科技高豊田も取られたらすぐに取り返す。このあたりの食い下がりは見事だった。3回は一死から9番北郷君が左越二塁打すると、バント失策で一三塁として、2番谷口君が難しい球をスクイズでしっかり決めて同点。緊迫の展開となっていった。

 こうなると、どちらがどういう形で次の1点を取るのかで試合の流れも大きく左右しそうになってきた。展開としてはタイブレークもありかなと思われかかった8回、大きく動いた。

 豊田西の古和田監督は、前の回の代打の関係もあって、この回から遊撃手の難波君をマウンドに送った。難波君は二死を取ってから連続四球を出したものの何とか0に抑える。そして、その裏の豊田西は1番からの好打順。

 小林君が中前打で出ると、内宮君の投前バントを二塁へ投げて刺そうと勝負したが、それがそれて外野まで行ってしまい無死二三塁。3番難波君が右前打してついに均衡を破る。高桑君は申告敬遠で満塁。ここで岩本君が意地の左前打でさらに2点。その後も難しい打球や風による安打なども出て、結局この回打者10人で豊田西は5点を奪って決着をつける形となった。

 やっと夏の大会らしい好天に放ったが、この日は暑く、強風でもあったが、お互いによく守ったとは言えよう。約3カ月、あまり練習できなかったというのが現状だろうけれども、そうした中で、この大会に照準を絞って調整してきて、精一杯のいい戦いだったという印象だ。

(取材=手束 仁)