「【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」


■うっ憤溜まるドラゴンズの戦いぶり

夏を制するチームがペナントレースを制する。

8月を迎え、例年ならば天王山の戦いが繰り広げられている時期。しかし今年はコロナ禍のもと、各チームともにようやく40試合ちょっとの試合消化。かなりの違和感をもって、我がドラゴンズの戦いぶりを欠かさず観ているのだが、今のところどうも褒められた戦いぶりを見せていない。
なかでも先発投手陣の早い回での降板により、しわ寄せを受けた救援陣にはかなりの負荷がかかり、逆転負けを繰り返す悪循環にファンのうっ憤も溜まるばかり!

そこで今週のサンドラは「ドラゴンズ先発ピッチャー、早く交代させすぎじゃないか」と題し、ゲストコメンテーターの川上憲伸氏にこの問題をズバっと斬って頂いた。


■憲伸の“先発投手陣とは”

最近4カードを見ると、そこまでゲームをぶち壊した先発ピッチャーはいない。どちらかと言えば、好投報われずというパターンの方が目に余ったといえる。7月23日のジャイアンツ戦に先発した岡野祐一郎投手は82球を投げ、5回1失点。1点のビハインドで降板。24日のタイガース戦、大野雄大投手は103球、5回1失点で降板。25日、同じくタイガース戦の勝野昌慶投手は83球を投げ、6回無失点で降板。そして26日の梅津晃大投手は91球を投げ、3−2と1点リードで無念の降板を命じられた。どれもが皆5、6回、そして球数も100球に満たないところでの降板と、救援陣に負担がかかっても仕方のない起用が続いていた。まずこの起用状況に川上憲伸さんが口を開いた。

憲伸「先発ピッチャーというのはメリハリが必要なんです。ローテの中でも3人くらいは5回、6回ぐらいまでもってくれればいいかなと。ただし、残りの3人は7〜8回投げてくれなければ困るんです」

憲伸さんが考える、投げてくれなければ困るという先発ピッチャー。現状ローテでいえば、エース大野雄であり、梅津、勝野あたりがその役割を果たすべきだという。5失点したとしても、7〜8イニング投げてもらわなければ救援陣をいくら揃えても長いシーズンもたないと指摘。

憲伸「たとえば大野雄投手が投げる時には、救援陣は3人ぐらい用意するぐらいで良いのです」

セットアッパー多くて2人にクローザー1人。それ以上、救援陣に迷惑をかけるようではエースではない。言葉にはしなかったものの修羅場を何度もくぐり抜けてきた経験を持つ憲伸さんの大野雄投手へのハイレベルな想い、そして期待を感じさせた。

また今後、先発投手が早い段階で降板した時のカギとなるのは、ロングリリーフができる先発経験者の起用だと憲伸さんは力説。現在、救援陣へ回っている山本拓実投手、再調整のため登録抹消となった岡野投手あたりが面白いのではと語った。


■早い回での先発投手交代は“アリ”

そして今回の問題である5、6回でマウンドを降りる先発投手について。もう少し投げられるという場面での交代にメリットはあるのかという問いに憲伸さんはズバリこう答えた!

憲伸「アリだと思います」

ドラゴンズ移籍後、初勝利をマーク。その後、安定したピッチングを見せている松葉貴大投手を例に取り、こう続けて解説した。

憲伸「松葉投手はすごく神経を集中して投げるタイプ。そう簡単には(長いイニングを)投げられないと思います。これぐらいのイニングの方が次の登板時に心身ともにリフレッシュして試合に臨めるんじゃないかと思いますよ」

今回の先発投手早い回での交代について、憲伸さんの考えは予想に反しての“アリ”。そりゃあ、毎試合先発が完投するのが理想形。ただそんな甘くないのがプロ野球の世界。個々に与えられた責任をこなすことこそ、先発投手の使命というのが憲伸的結論といえよう。しかし失敗を重ねれば確実に足元をすくわれる。一軍先発6つの枠を二軍から虎視眈々と狙っている投手は多い。


■ハイレベルの先発スタッフ形成へ

一軍ローテ復帰を目指すベテラン吉見一起投手、右わき腹を痛めたものの、完全復活間近の柳裕也投手、開幕から二軍調整が続く小笠原慎之介投手らは、いつ一軍から呼ばれても大丈夫!と牙を磨く。また8月2日、育成選手のヤリエル・ロドリゲス投手と支配下契約を結んだ。今季、二軍では5試合に登板し2勝0敗、防御率0.51。17イニング2/3を投げ、打たれたヒットはわずか5本と抜群のピッチング。上位浮上のキーマンとして期待がかかっており、またひとり先発の有力候補が増えた。

なかなか投打の歯車がかみ合わず、首位争いから離されているドラゴンズ。しかしペナントレースは1/3を終えたところ。まだまだ挽回の余地はあろう。昔から打は水物と呼ばれる。ならば、まずはしっかりと守りを固めた野球で勝負を挑むことが求められるはずだ。先発スタッフを含め、競争を勝ち上がった投手が切磋琢磨して勝利をモノにする。それがチーム内に浸透した時、チームスローガンである昇竜復活が実現するはずだ。先発、中継ぎ、抑え、それぞれの役割を首脳陣と共有し、負荷のかからないストレスフリーの継投ができた時こそ、8年ぶりのAクラスはもちろん、悲願の優勝も見えてくる。そう信じて、これからも応援していきたい。

がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!


(竹内茂喜)

画像:「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ