店舗用の玄関マットの上や、その周りに散らばった海藻や枝。青森県深浦町にある食事処・千畳敷センター(@senjyoujiki)では数日間、毎朝玄関が汚されるという現象が起きていたそうです。しかし、意外な犯人が発覚。「『もぅ』と思いながら掃除していたのですが、やっと犯人がわかりました!!」との投稿の行方が大きな話題になっています。同店の担当者さんに詳しいお話を伺いました。

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姿を見せた“犯人” とぼけたような姿にほっこり

「君だったのか……。巣作り、下手すぎやしないかい?」

 そんなコメントが添えられた写真には、1羽の鳥が写っています。首元は暗青色で、胸元にかけては赤茶色。建物の梁に止まり、カメラから目を背け、とぼけたようにくちばしを上に向けています。

 巣を作りにやってきたようですが、どうやらうまくいっていない様子。安全な場所を確保するも、どうしたらいいかわからず途方に暮れているようです。

 この投稿には2.2万件の“いいね”が。リプライ(返信)には、「持ってくるやつ全部下に落として、あれ? ってなってるって考えるとちょっと笑えますね」「初心者なのかも(笑)」「優しく見守ってあげてください」などの声が寄せられています。

ゴールデンウィーク明け頃から巣作りを開始

 ゴールデンウィーク明け頃から、お店の玄関先に海藻などが散らばっているのを毎朝見るようになり、担当者さんは“犯人”を捜していました。その後、玄関先の軒下に鳥が巣を作ろうとしていることに気づいたそう。

「気づいたときは笑ってしまいました(笑)。今も毎朝、玄関先には大量のゴミが散らばっていますが、無事に巣作りが成功するように見守っています」

 担当者さんによると、この鳥はオスのイソヒヨドリ。もともとは海岸地帯に生息する野鳥として知られていますが、近年は都市部のビルなどでも目撃されるように。繁殖期は3〜6月頃で、子育てはオスとメスが協力して行うといいます。

 イソヒヨドリはときどき、お店のテラスを優雅に飛んでいることがありますが、巣作りの作業は店が閉店している午後5時から翌朝の7時30分の間に行われているため、担当者さんは実際に巣を作っている様子を見たことがないそう。玄関先の散らかり具合から、一生懸命素材を運んでいる様子が伝わってきますが、作業はなかなか先に進んでいないようです。

 お店では以前、同じ場所にツバメが巣作りしたこともあるそうですが、イソヒヨドリは初めてのこと。ちなみに、ツバメは現在、別の入り口で巣作りをしているそうです。イソヒヨドリも無事に立派な巣を完成させて、かわいらしい家族と一緒に過ごす姿を見せてほしいですね。

Hint-Pot編集部